アトランティスのこころ 上巻 (新潮文庫 キ 3-25)
アトランティスのこころ 上巻 (新潮文庫 キ 3-25) / 感想・レビュー
散文の詞
少年のもとに現れた不思議な老人、それから少年の運命が狂い出す。というか、始まるのかな。 伏線やヒントになる部分はあるけど、全体としては、はてなのままで話が進んでいきます。 特に何かあるというわけでもなのに、グイグイ引き込まれるのは、やはりこの作家の力量ですかね。 まあ、下巻でわかるんでしょうけど…。 とはいえ、ガンスリンガーや塔が出てきたりで、ファンには面白いでしょうね。 『蝿の王』読みたくなりました。
2021/05/17
Tetchy
これは在りし日の喪失と再生の物語だ。かつて思いのまま生き、何でも話せる仲間がおり、お互いが打算や駆け引きなどせずに時間を共有していた純粋無垢な黄金時代が誰しもあったことだろう。本書はそんな眩しい日々が人生が長じるにつれて失われていく哀しみを、心の痛みをそれぞれの立場と人生の道程で語った物語だ。私は題名のアトランティスはいわば象徴なのだと捉えた。それは“失われた大陸”もしくは“失われた楽園”を意味する。原題が示すように、アトランティスに置いていった心、すなわちもう戻れないあの頃の思い出を指すのだと。
2023/02/13
Small World
「ダークタワー」の最終巻に、この作品の登場人物が関わるということなので、先に読んでいます。ちょっとした関わりと思っていましたが、意外とダークタワー世界とストレートにつながってますね~、むしろ、シリーズのスピンオフみたいな話なのですかね・・・。思っていたより、ハッピーエンドではない話なのですが、こういうのを書かせたらキングは上手いんです。スルスル~っと読了して下巻に進みます。
2018/02/24
井戸端アンジェリか
ハンニバルのような微笑みを浮かべるアンソニー・ホプキンスの表紙に、何かあるぞきっと読始。「蠅の王」に対するキング先生の解釈は大変興味深いものの、孤独な少年とオジイの心温まる日常にそれ程興味も湧かず、ふーんなんてそぞろ歩き読みしていたら突然大きな穴が現れてドーン。油断しちゃったエヘヘ。やっとこさ穴から這い出してお尻を摩り摩り銭ゲバ母を呪う。 また逢えるのかなー、いやきっとまた穴が掘ってあるかも、じゃあフタになる物を用意して下巻へ行くか。
2017/04/24
春ドーナツ
「50倍」によると、この作品を執筆していた頃のSKは文芸路線だったそうだ。初めて本書を手に取ったのは平成十四年春で、読み返したくなったのは数年前のことだ。文庫版の書影は映画の宣伝を兼ねていて、ファンからの要望に応えて後日、素敵な装丁の単行本版が発売された。事あるごとに古書店で後者の有無を確かめたけれど、結果はご覧の通りで、前者を買いなおして紐解いた。私の中で「ルートビア」と「ドクターペッパー」がごっちゃになっている。当時ふたつとも日本では販売されていなくて、本書を読了された方はたぶん飲みたくなると思う。
2023/08/10
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