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25時 (新潮文庫 ヘ 17-1)

25時 (新潮文庫 ヘ 17-1)

25時 (新潮文庫 ヘ 17-1)

作家
デイヴィッド・ベニオフ
David Benioff
田口俊樹
出版社
新潮社
発売日
2001-08-01
ISBN
9784102225219
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25時 (新潮文庫 ヘ 17-1) / 感想・レビュー

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Panzer Leader

[第165回海外作品読書会]「卵を巡る祖父の戦争」や「ゲーム・オブ・スローンズ」の共同プロデューサー/脚本家であるベニオフのデビュー作。麻薬不法所持で刑務所に収監されるモンティの最後の1日を描く作品。派手派手しい出来事があるわけでもなく親友・恋人・父・相棒との交流を淡々と綴っていくだけなのに心に突き刺さるのは、一人一人の登場人物たち心情が深く描きこまれているから。ラストの纏め方が秀逸で図らずも何度も何度も読み返してしまったほど感動を呼び起こす。

2020/09/29

ざるこ

アメリカ映画やドラマで描かれる刑務所が事実その通りかはわからないけど、この物語でも同じ。暴力と恥辱に満ちた日々。麻薬密売の罪で収監されるモンティに残された時間は24時間。反省とか覚悟とかいう感情が前面に出てるわけじゃなく起伏のない展開が逆にリアルでもある。多くを語らないモンティだけど心中では子供時代からの選択の過ちや別れのつらさや後悔が激しく渦巻いてるのだろうと思う。男と男の不器用な友情は寂しくも熱い。ラストを迎えて思うことはやはり人生は1度だけ。一見ダメな選択も自分次第でどうとでもできるのかもしれない。

2020/11/28

hit4papa

麻薬不法所持で7年の判決を受たけた青年が、刑務所へ収監されるまでの前夜の物語。父、恋人、親友が集う別れの夜は、裏切りあり、すれ違いあり、友情の再発見ありの濃密な24時間です。真冬のニューヨークの寒々とした空気感が、清々しくもありながら重苦しい気分に拍車をかけます。一抹の寂しさをともなった締めくくり方が素晴らしいですね。

ネロ

刑務所へ収監される前日の24時間、彼らに起きる男達の友情と心情がニューヨークを舞台に描かれる。 訳者の言葉を拝借させてもらうと、本書の感想は"微温"。特別に盛り上がる場面も退屈する様な中弛みも無い、ずっと浸っていたくなる様な雰囲気が終始感じられる作品だった。ただ、余りにも違う3人が親友だということと、先に読んだ「卵をめぐる祖父の戦争」が良すぎたので少し違和感と物足り無さは正直あったかな。

2023/05/26

スパイク

はっきり言ってツボを押さえたお涙頂戴小説は大嫌いなんです。青春とか、努力とか、友情とか。で、この小説。友情を描いてるんです。でも不思議と蕁麻疹はでなかった。お涙頂戴してない。心温まる小説じゃありません。温かいなんて生易しいもんじゃなくて火傷するくらい 熱い。けど、皆、クールなんです。これなら許せる。どころか、こうでなくっちゃ。どうしてなんだろう。それはたぶん、登場人物の誰もが、本当の自分はこんなんじゃないんだ、もっともっと皆に愛されていいはずなのに、なんでそうならないんだって思ってるからだと私は思います。

2015/04/06

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