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99999 (新潮文庫 ヘ 17-2)

99999 (新潮文庫 ヘ 17-2)

99999 (新潮文庫 ヘ 17-2)

作家
デイヴィッド・ベニオフ
David Benioff
田口俊樹
出版社
新潮社
発売日
2006-04-01
ISBN
9784102225226
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99999 (新潮文庫 ヘ 17-2) / 感想・レビュー

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Panzer Leader

「第166回海外作品読書会」様々なジャンルを跨いだ完成度の高い作品集ではあるけれど、どの話も運命/人生に負けてしまうような苦いラストを迎えるストーリーばかりで、エンターテイメント好きな自分としてはちょいと苦手。そんな中でも「悪魔がオレホヴォにやってくる」「幸せの裸足の少女」「ネヴァーシング貯水池」は印象的。

2020/10/12

hit4papa

このミスにランクインした『卵をめぐる祖父の戦争』、映画化された『25時』の著者の短編集です。青春群像あり、SF風味あり、幻想小説ありとバリエーションに富んでいます。作品に通底するのは読後の苦い後味でしょうか。スターダムへのし上がろうとする女性シンガーとその周辺を描いたタイトル作は、米エンターテインメント界のドライな関係性の中に垣間見えるアツい思いが印象的です。くわえて、恋人の語る偽りに魅入られてしまう「ネヴァーシング貯水池」、亡きゲイの恋人に思いを馳せる「幸運の排泄物」がマイ・ベストスリーになります。

2017/02/26

hamham

“エンタメ”が問題に打ち勝ち主人公が成長する物語で、“文学”が問題に負けて主人公が失望する物語なら、その観点からすると、この短編集は紛うことなく“文学”。みんな負けちゃいます。恋人に捨てられ、死に負け、病に負け、現実に負け、才能のなさに負け…。勝者不在の短編集。微かな希望や夢想は現実の前にしぼみ、ちっぽけでつまらない肉体だけが残る。「幸運の排泄物」のゲイのヘクターの描写が色っぽくてドキドキした。魔性とはこういうことか。ヘクター会いたさに再読しそう。

2017/04/25

色々甚平

表題作が一番好み。都会のメジャーレーベルの人間と地方のパンクバンドで起こる引き抜き。モヒカンのサッドジョーは変人だが人情味があり悪い奴ではない、主人公のタバシュニクは利己的で非常に現代人的、損得勘定で人や行動を見てでしか判断しなく、仕事を盾にして他人の関係を破壊するのは当然としているが、報復や暴力に対しての恐怖は持っている。そして、才能の意味がわからないと言い状況に流されていくモニー。この三つ巴の関係がありがちな話に見えながらも国の1面を縮図として表しているように見える。そして、三人が決して満足できない。

2017/12/29

varietasdelect

「卵をめぐる祖父の戦争」の予習のつもりで読み始めたのですが、ほんとうに素晴らしい作品でした。もし私が高校生だったら、初めてのボーイフレンドへの誕生日プレゼントは本書とデニス・ルヘインの「コーパスへの道」にする。

2011/01/02

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