ウォーターメソッドマン 下巻 (新潮文庫 ア 12-7)
ウォーターメソッドマン 下巻 (新潮文庫 ア 12-7) / 感想・レビュー
Vakira
表参道にヒグチユウコさんの店「ボリス雑貨店」がある。その2階が最近オープンした。ヒグチユウコさんが自分に影響与えた&気に入ったものを展示。そこでこの本を見つける。この本もう絶版のはずなのに何冊か置いてあった。ヒグチユウコさんに影響与えた、もしくは気に入った小説。なんか嬉しい。アーヴィング2作目ですがこれはかなりコメディー寄り。波乱万丈?でもその波乱の原因は本人の自由過ぎる行動から。しっかり友人を想うところは憎めない。この辺は初期の春樹な感じ。大人になりきれない高学歴クズ男の生き様は普通に可笑しい。
2020/12/22
メタボン
☆☆☆☆ 物語があっちにいったりこっちにいったり、アクセルトとグンネルの挿話が入ってきたりで、一筋縄でいかず、読了までに相当の時間が経ってしまった。下巻では、ギャング小説のような冒険も繰り広げられ、ハチャメチャ度はアップ。手紙、シナリオ、請求書等いろいろな型式の文章、そして時系列が入り乱れる実験的な作風で、荒削りではある。会話はユーモアあふれるものが多く、時間はかかったがアーヴィングの世界を堪能した。
2022/03/03
田中
通読して感じたのは、「結婚」が大きなテーマかなぁ。人類共通の関心事です。僕は思うけど結婚生活とは夫と妻の視野の違いを、日々、補正し修復することかもしれない。でも、永遠の謎も多い。自己を把握できないトランパーが、自分探しの旅をはじめる。ビギーとの結婚生活を放り投げて。彼は、単純な勘違いでトゥルペンとの同棲からも家出。「アクセルとグンネル」の完訳はトランパーがやっと成し遂げた作業。これが転機になったと思います。この小説は「ラルフの映画」と「アクセルの伝記」が絡みあって二重三重のものすごい構成になっています。
2019/09/07
メセニ
主人公トランパーの尿道の異常、曲がりくねったその道が手術によって正常(?)になっていく様が、何ひとつ成し遂げられないダメダメな彼自身、妻や子供との生活、親子の不和、仲間との日々、北欧叙事詩などとリンクしながら、自由奔放な時系列とテクストで綴られる、ファニーでほろ苦い物語。あとがきの言葉を拝借するなら「ハックルベリィ・フィンが現代に現れ、うっかり結婚して家庭を持ったらどうなるかのような子どもっぽい魅力に溢れた寓話」。長編二作目で荒削り。上巻は冗長、でもそれはいつものこと。満ち足りた気持ちで本を閉じました。
2016/09/14
tokko
古本で購入、買ってよかった。『熊を放つ』に続く、若いアーヴィングの「読ませる」才能を垣間みることができた。この本が絶版なんて、もったいないな〜。それにしても、アーヴィングの子コリン・アーヴィングが「いまを生きる」に出演していたとは驚き。観たら分かるかな?
2014/07/22
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