エリー・クラインの収穫 (新潮文庫 ス 14-1)
エリー・クラインの収穫 (新潮文庫 ス 14-1) / 感想・レビュー
tom
この本は、かつて、このミスにランキングされたんじゃないかな。誰も読まなくなってしまって久しい本で、ほとんどコメントもない。でもねえ、ほんとうに面白です。高級娼婦が惨殺された事件を、落ちこぼれ寸前の女刑事が追及するという話なのだけど、ディテールがきちんと書き込まれていて、主人公と被害者の素顔が浮かんでくるよう。古典として大事にされてもいいように思うのだけど、図書館で借りてきた本はぼろぼろで、頁がポロリと落ちてくる惨状。とても寡作の作家だそうだけど、こういう風に本を書く人に大量生産は無理だろう。値打ち本です。
2011/06/19
つちのこ
女性刑事が主人公という設定がまず興味を引いた。1990年代初頭のニューヨークの街の雰囲気が濃密に描写されている。ちょうどこの時期に仕事でニューヨークに滞在していたことがあるので、ほんの少しだが、その余韻に浸りながら読み進むことができた。警察小説は冗長で登場人物も多いので、辛抱強く読まないと筋が分からなくなってしまうが、この作品は650ページの長編にも関わらず、ぐいぐい読ませてくれた。
1992/04/25
ベック
主人公のエリー・クラインの毎日のルーティンに衝撃をおぼえたっていうことしか記憶に残っていません。だって、アソコをパカパカって・・・。
おくちゃん
20年ぶりの再読。20年前より面白いと思いました。ここまで濃密な文章なのに、苦労なく読めた。作家の文章力?が優れているのかな。それに負けずに翻訳家もすごいと思う。
2019/02/23
みも
始まりが、異常性犯罪者を思わせる強烈な惨殺だったわりには、なんと犯人は顔見知りの金目当て(多少怨恨や羨望含む)にはがっかり。レベッカの逮捕シーンにわずかに狂気が垣間見えるが。最高に良かったのは、相棒の刑事が兵士3人に襲撃されたシーン。一番緊迫感を感じた。ただ、いくら屈強な体とはいえ、訓練された兵士3人に急襲され、背中を2か所刺され互角に戦えるのはどうなのかな?と疑問は生じる。ところで、その後大佐はどうなったのだろうか?逮捕されたタッカー曹長が黙秘を通し、トカゲの尻尾切りに終わるのだろうか。
2016/02/15
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