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金春屋ゴメス

金春屋ゴメス

金春屋ゴメス

作家
西條奈加
出版社
新潮社
発売日
2005-11-01
ISBN
9784103003113
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金春屋ゴメス / 感想・レビュー

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藤枝梅安

カバー画は、携帯電話を使っている着流しの青年。「金春」だから能楽に関係しているのかと思ったが、全く違う設定と展開に驚かされた。「近未来の時代小説」という作者の発想力に圧倒され、最初は軽い人情話かと思いきや、農村にまつわる伝奇物語風になり、さらには医学・薬学ミステリーになっていく。子に対する親の愛情を感じさせるエピソードも挿入され、味わい深い結末。また、「ゴメス」という名の由来にも唖然とさせられた。ファンタジーの世界に素直に入っていけば楽しめるが、リアリティを望む方にはお勧めしません。

2015/12/05

とん大西

江戸人情話…と思いきやどっこい近未来のお話。関東・東北の一部が日本国から独立して30年余。科学が急速に進歩する世界を尻目に失われていた江戸風情が息づく国家・江戸。時代錯誤か温故知新か。江戸生まれの日本国育ちの辰次郎が病床の父の願いもあって母国(?)にカムバック。身を寄せたのは金春屋。主は悪名高き奉行ゴメス親分。心なごむ江戸情緒。裏腹に気掛かりなのが昨今の謎の流行り病。辰次郎の幼児期の記憶と絡まる悪人どもの野望とゴメスの鬼探査。不思議な読み味ながらもやっぱり西條さんっぽい書きっぷり。なかなか面白かったです。

2022/10/15

ちはや@灯れ松明の火

大明神か大魔神か。その姿、威風堂々、容貌魁偉。その気性、厚顔無恥、冷酷無比、極悪非道。月への移住者もいる近未来、時代を逆行して築かれた超スローライフ独立国江戸に忍び寄る謎の奇病と陰謀の影。花のお江戸の危機に立ち向かうは泣く子も黙り笑う子もビビる金春屋ゴメス、怪力無双、鯨飲馬食、意外にも頭脳明晰、その巨躯の中にあらゆる四文字熟語を詰め込んだ天下無敵の長崎奉行とは奴のこと。手下には厳しく悪党には更に容赦なく、しかし根底には江戸っ子の誇りたる義理人情が熱く滾る。時は流れど廃れることなき勧善懲悪捕物劇ここにあり。

2010/12/06

初美マリン

やはり面白かった。半村良の寒河江伝説をもう一度読もうかな

2019/03/21

sk4

文庫版の表紙にゴメス親分の姿が描かれてるけど、つまり、フツーに化け物? 想像以上だな〜。 もっとなんか、太って巨大な歌舞伎役者みたいな華はあるのかと思ったけど(笑) それにしても、あまりの面白さに半徹夜してしまったw あらゆる経済や便利なエネルギー依存からの脱却を目指して建国された鎖国国家【江戸】の中で起きている正体不明の【鬼赤痢】。その原因は決別したはずの痛々しいほどのホモ・エコノミカス。 目には目をの応報刑に身をもって嫌悪感を示す主人公、辰次郎の気持ちのこもったキャラクターが好感です。

2013/04/24

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