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貘の檻

貘の檻

貘の檻

作家
道尾秀介
出版社
新潮社
発売日
2014-04-22
ISBN
9784103003366
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貘の檻 / 感想・レビュー

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🐾Yoko Omoto🐾

8年ぶりの書き下ろし長編は、人間の心の脆弱さをジックリと読ませるミステリ。息子に自分の幼少期の面影を見るようになった主人公は、32年前に目撃した悲劇を暗示するかのような悪夢に悩まされるようになる。だが一体自分の記憶はどこまでが本当なのか、得体の知れない違和感に突き動かされた行く先に見た衝撃の真実とは…。根底にあるのは身勝手な親達と行き場のない感情を吐露できぬ子供の悲劇。人は何故、知り得た出来事に勝手な自分の解釈を加えて「自分が思う事実」を成立させてしまうのか。「誤解」という名の負の連鎖がやりきれない。

2014/04/27

紅はこべ

さほど深くはない嫉妬や悪意から生まれた悲劇、愛ゆえの誤解、すれ違い、真相が見えてしまえば、何とももどかしい。あの時ああできていれば、一言口にしてさえいればの連続。人生とはそうしたものかも知れないが。水分神社が出て来て、三津田信三を思い出した。道尾さんらしい少年の造形、風景描写は最近のミステリ作家の中で断トツに美しい。

2014/12/08

as

読みごたえ十分でした。夢の部分は難解でしたが本編の伏線の張り方回収の仕方はお見事でした。1984年と言えばファミコンを買う為に貯金額を「見積り、当時」は「子供には14800円は無理」と魘(うな)されていました。最後は水路だけに全てを水に流すとは行きませんが良かったのではないでしょうか。そう言えば最近、爪が伸びるのが早い気がします、これは・・・・。

2014/08/14

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

信州の寒村で32年前に父が犯した罪。そこから逃れるように生きていた主人公の前に、事件と深いつながりを持つ女性が現れた。はたして32年前に何があり、いま何が起ころうとしているのか? その謎に主人公が向き合っていくミステリー。道尾さんの長編は初読みだったが、主人公が見る悪夢に不安感をかき立てられ、ぐいぐい読まされた揚げ句、意外な真相とともに浮かび上がる人の思いにやるせなさまで募らされ、すっかり魅了されてしまった感がある。どこか横溝作品をほうふつとさせるこのテイストは大好物。著者のほかの作品もぜひ読んでみたい。

2015/01/08

hiro

道尾さんの本8冊目。中盤まで進捗がゆっくりで、正直言って手こずった。‘村’、その村の旧家、そして32年前の連続殺人と、道尾さんが大好きという横溝正史の金田一シリーズのような舞台設定の中、他にも、重要な場所として登場する‘穴’や、顔の傷など、ネタバレになるのでこれ以上書けないが、他にも金田一シリーズの一場面をみるようなところも多く、横溝正史ファンには楽しめること請け合いだ。一方、謎解きについても、いったん謎が解けたように思えた終盤も、終章で最後のひねりがきいていて、最後まで楽しめた。

2014/08/30

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