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想い出あずかります

想い出あずかります

想い出あずかります

作家
吉野万理子
出版社
新潮社
発売日
2011-05-01
ISBN
9784103006336
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想い出あずかります / 感想・レビュー

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優愛

預けた想い出が溢れたら海に沈める。それはヒトデの形をしていて次第に星の砂になり海の底で永遠に眠り続ける──「どこに行っても、忘れない。大切な想い出、忘れるはずがない」だけどね。人間はいつか死んでしまう。この世界からいなくなってしまう。預けた想い出を取りに来る事さえ忘れてしまう、そんな生き物。そこで訂正を一つだけ。魔法使いさん、死んだら終わりなんかじゃない。想い出を抱える魂はきっと何かを残してくれると私は信じているから。そのヒトデが例え星の砂になったとしても拾い上げて言いたい。「おかえり、寂しかったね」と。

2015/06/28

エンブレムT

児童文学の設定を借りた『大人のための童話』という感じ。切なく郷愁を誘う読後感でした。子供の持つ「想いで」に対し、預かり料を払う魔法使いの営む質屋。20歳までにお金を返せば預けた「想いで」は戻ってくる。え?じゃあ返さないまま「想いで」を流してしまった子は?大人になった時に気付くはずのその価値に、失ったものの大切さに気付くことすら出来ないまま?と、考え込んでしまった私です。や、物語はそんな怖い方向には行きませんが(笑)ビターにしかならない部分からはスッと引き、柔らかく着地させる感じは、物足りなくも優しいです。

2012/05/10

アメフトファン

吉野さんの作品は初めて。想い出を預かってくれる魔女と預けに来る子供達との物語。だんだんと人間ぽくなっていく、魔女が死神の精度の死神と重なりました。人間は色んな想い出を抱えて生きています。良い想い出、悪い想い出、悲しい想い出。そういったたくさんの想い出が自分を作っているのだなと改めて思いました。是非続きを読んでみたい素敵な作品でした。

2013/12/20

そのぼん

子供たちにだけ見える『魔法使い』の家を中心とした物語でした。ファンタジー的なお話しでしたが、切なさとか教訓みたいなものも織り込まれていて面白かったです。記憶を魔法使いにあげると現金をくれるっていう設定も、ブラックだなぁ、と思いました。やっぱり思い出は自分のなかにおいておきたいよなぁ。

2013/01/30

yanae

ずっと気になっていた吉野さん、やっと読めました。すごく私好み。読みやすいし雰囲気も好き。他の作品を追う作家さん決定です。お話はファンタジー。崖の下で魔法使いが開いている質屋。そこは想い出をあずける専用の質屋。20歳を過ぎると質屋のことも魔法使いのことも忘れてしまう。質屋をきっかけに知り合う中学生や小学生。高校生になってからの恋愛模様や友情を描く。最初は機械的な魔法使いのちょっと人間っぽくなっていくところもかわいいし、りかのまっすぐなところが不器用だけどかわいい。大人になるってちょっとさみしいね。

2017/03/31

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