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もうすぐ / 感想・レビュー
ふじさん
橋本紡の今までの作品とは違う感じの小説。医療ミスで妊婦が亡くなった事件の真相を追う中で、妊娠、出産、医療制度の現実問題を含めながら描いた作品。簡単に産めると思っていたが、それは医療の進歩のお陰であり、その強い信頼が医療従事者に期待やプレッシャーをかけていることが良く分かった。産科の医者のない手が少ないという現実もよく分かった。由佳子を中心に展開する物語は、妊娠・出産だけではなく、内容が次第に奥深くなり、小説の域を超えて、人間の生きることの本質までも問いかけることになる。考えさせられることの多い1冊だった。
2024/02/26
ゆにこ
妊娠、出産についての小説は多いけど作者が男性なのは珍しいと思いました。橋本さんの本はほんわかしているイメージがあったけど、こういう本も書くのですね。読後は子供をぎゅーっと抱きしめたくなる。
2014/06/06
優希
命の重みを見たような気がします。子供を求めることはどういうことか考えさせられました。子供を産むことばかり描かれていることは若干食傷気味でしたが。
2021/06/11
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
大野病院産科医逮捕事件がモチーフにされていると知り手に取ったが、描かれてはいるのはむしろ、いまの社会で子どもを産むことそのものの困難さ。産む場所の少なさや、不妊による精神的・経済的負担のつらさといった問題は知ってはいたが、そのもとでの女性の苦悩がそれぞれのエピソードからひしひしと伝わり、男(というか自分)がいかにのんきな存在であるかを思い知らされた。いろいろと盛り込みすぎて消化不良のところもあるが、それでも著者の熱い思いが伝わってきて読んでよかったと思える一冊。若い人をはじめ多くの人に読んでほしい。
2011/05/06
あつひめ
主がまだ不在のベビーベット。物語のラストは最初から始まっている。いつからなんでしょう。命を作る、作りたい・・・と言うようになったのは、授かりものの命が医療がどんどんよくなるにつれ作り出すものになってしまった。愛情もあるけどそれよりも子供を・・・と切に願う女性。人間の体にはやはりその年齢に適した時期があるのも否めない。医療現場と女性の立場、また男の立場や世間の目、イロイロなものが絡み合う。「今はまだ欲しくない」よく耳にする言葉ですが、自分の「今」っていったい何を基準に言うのかな?と世の中に問いたくなった。
2010/12/12
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