死に急ぐ鯨たち
死に急ぐ鯨たち / 感想・レビュー
めんま
「方舟さくら丸」執筆前後、安部公房の晩年手前くらいの時期のエッセイとインタビューを収めている。国家が過度に人々を集団化しようという傾向を気味悪がっている。その解毒剤として文学の力に期待しているが、どうも分は悪いと考えている節がある。他に、創作する上での癖や傾向についても語っており、作家を知る上でも有益。
2021/09/12
たみ
80~86年に新聞・雑誌に載ったエッセイやインタビューをまとめたもの。84年刊行の[方舟さくら丸]の話題が中心。ぱっきりと作品解説ではありませんが、やっぱり著者自身の言葉というのは重いなあ。そして難しいなあ、「言語の個別化の力場」とか正直よくわからん。流れでぼんやりと印象をつかむのがせいぜい。インタビュアーから「方舟さくら丸に美術品が積まれないのはなぜか?」という質問が出ていておもしろかった。この小説に〇〇が出てこないのはなぜだろう?という意識で読むのも楽しそう、答えが出ないから疲れそうだけど。
2015/03/09
suu
1日かけて、授業受けてるような感じで読み切った。 わたしなり少しでも落とし込めたかな… 言葉って、厄介だなーほんとに。全ては言葉、理解も想像も言葉から始まるって凄く納得した。 気持ちを言葉にすると、なにか違う感じがする理由を教えられた。 とにかく「なんとなく」で考えたり、決めたりするのをやめる。 音楽にもっと触れる。右脳を意識する!! 儀式で飽和されたような国家に、想像力なんかあり得ない。
2021/03/10
Haruka Fukuhara
面白かった。エッセイ集ということになるのかな。作品の背景とか時代への意識とか色々。題名がつい手に取りたくなる感じですごくいい。
2017/02/21
hirayama46
85年ごろの文章を集めた一冊。読んでいなくても楽しめますが、できればこの時期に書かれた長編である『方舟さくら丸』は読んでおいたほうがいいかもです。/内容は前半はエッセイ、後半はインタビューになっており、個人的にはやはりところどころに晦渋さのあるエッセイよりも、より親しみやすいインタビューのほうが楽しめました。安部公房が生きていたら現代のインターネット社会についてどう思うかしら、などと益体もないことを考えてしまいます。
2014/12/05
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