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風の王国

風の王国

風の王国

作家
五木寛之
出版社
新潮社
発売日
1985-01-01
ISBN
9784103017172
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風の王国 / 感想・レビュー

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やまはるか

 明治初期に大和と河内にまたがる二上山から伊豆の山中に命からがら逃れた55人のサンカの末裔が、老人を含む55人の講を組んで伊豆から二上山を目指して徒歩の旅に出る。農耕社会においても、土地に定着せず移動生活する集団にルーツを持つ彼らは歩くことに特別な意味を見出している。彼らが体現し、多くのウォーカーが経験する長く歩くことに伴う精神の高揚は歩きつづけて獲物を狩っていた時代の本能に刻まれた記憶なのか。酷暑の日にも吹雪の中にも歩く場所を求めて山に行く我が嗜好に通じるものがある。巻末の参考資料の多さに驚愕した。

2024/09/11

marineblue

近々共に二上山に登ることになっている友人が、勧めてくれた一冊。30年以上前に刊行された作品だが、古い感じはしない。主人公は奈良の当麻寺から二上山に登った時に「駆けるように歩く」一群の人々に出会う。彼らは「ケンシ」という漂泊民(他の漂泊民と併せて「サンカ」と呼ばれることが多いそうだが、彼らはこの呼称を良しとしない)だった。徐々に明らかになる彼ら一族の驚くべき歴史、主人公と彼らとの関係。彼らが抱える大きな問題。なかなかに分厚い本だが、ずんずん読み進むことができた。

2017/05/02

パーやん

今月、二上山〜竹内街道へハイキング。で、高校で同窓の星野君からこの本を紹介されました。大阪〜奈良の古墳群や二上山〜葛城山の山並みを舞台に、ギアおたくの真一、心を病んだ実力派の歌手サエラ、跳ぶ様に歩く女、哀等の魅力的な登場人物が、明治政府創設期の治民政策が産んだ山窩と云う差別民の歴史と絡まって大きな物語を展開する。二上山上にあった大津皇子の陵墓も登場人物と無関係ではないなんて…壮大なお話でした。ただ風呂敷を広げすぎて後半の纏まりがイマイチだったような気もしますが^^;。又、二上山に登りたくなるお話です。

2014/11/21

チップ

*図書館* 古墳が出てきた、歴史の話かと思い読み進めていくと、想像したことなかった歴史の話が出てきた。壮大な話だった。でも現実的にありそうだな、ともちょっと思う。二上山は子どもの頃に慣れ親しんだところだけど、大津皇子の陵墓があること知らなかったな。久しぶりに訪れたくなった。

2016/02/21

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