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わたしがいなかった街で

わたしがいなかった街で

わたしがいなかった街で

作家
柴崎友香
出版社
新潮社
発売日
2012-06-29
ISBN
9784103018322
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わたしがいなかった街で / 感想・レビュー

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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

☆5.5 柴崎さんは街がぐんぐん好き。 その街には脳内会議をする“ぐでたま”が住んでいる。 “ぐでたま”が住む街を皆は余り好きじゃないだろうな。 でも僕は“ぐでたま”が住むけったいなこの街の香りがkanari気に入ったよ。

2021/01/01

あん

一言で言って不思議な小説でした。身近な人の死や別れを経験することにより、自分の生きている、生かされている意味を、戦争の映像を見ることによって探るようになった主人公の砂羽。砂羽はとても不器用で人付き合いが下手でっていうことわかったのだけれど、ストーリーが平坦なので、その他はあんまり伝わってくるものがなかった。と言うか上手く理解出来なかったので、感想にすることが出来ないと言うか…。これは再読しなければなりませんね。人によって評価が分かれそうな作品です。

2014/12/08

mint-s

離婚して一人暮らしの砂羽36歳。 人付き合いはあるけど苦手。戦争のドキュメンタリーを見たり、広島の爆心地のすぐ近くで働いていた祖父のことを思い、自分が存在しなかったかもと考えたり、もうない場所、行けない場所、会えない人、会うかも知れない人、どこかにいる人....など頭の中でぐるぐる考える。何かを強く訴えてくることも盛りあがることもないけれど、日常にふと入り込んでくる感覚を味わうような時間だった。

2022/02/08

kana

映像では表現し得ない、文学的な五感で感じる作品。特に何も事件は起こらないけど、砂羽の思索の描写から、胸の奥の見ないふりをしていたもやもやした部分を掘り起こされ、とても愛おしい想いで読みました。砂羽は世界のどこかで起きている戦争や内線のドキュメンタリーを、静かな部屋で一人で見る、なぜ自分がその虐殺の現場ではなく、今テレビをみる平和な側にいるのか、その意味を考える。砂羽のように戦争のドキュメントは観ないけれど、彼女は私と同じだと何度も思いました。付箋をつけたくなるフレーズがいくつもありました。

2012/10/14

巨峰

孫たちの世代による反戦小説だと思った。原爆が落とされた広島で暮らしていた祖父、空襲で焼けた大阪で生まれ育ち、東京で生活している彼女。そして、TVを通じてネットを通じて現在進行するサラエボ、コソボなどの戦場にアクセスする彼女。ここに過ごしているのも偶然だし、そこで過ごしていないのも偶然。私たちは死者たちの上に築かれた町で過ごしている。南京大虐殺だ・従軍慰安婦だと声高に責められるとどうしても反発してしまう日本社会だから私たちも被害者であることを思い出させるこういうアプローチの方が心に響くのかもしれません。

2013/01/20

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