太平洋戦争日記 3 昭和19年5月1日-20年8月24日
太平洋戦争日記 3 昭和19年5月1日-20年8月24日 / 感想・レビュー
讃壽鐵朗
終戦に至る一年数ヶ月をこれほど詳細に書いたものはないのではないか。その当時を知る人も知らない人も必読の日記。
2015/09/13
夕木
彼は日本の勝利を信じた、いや信じこまされた一文学者ではあるが、積極的なファシズムなど持ち合わせない、いわゆる知識人である。だからこそ、毎朝の新聞に掲載される戦局を日記に記し、また執筆も続ける。時に日本の勝利を喜び、時に山本五十六の死に心細さを抱いたり、時にアッツ島全滅の際は毎日の静けさをたまゆらの陽炎のように感じたりと、その時々の感情が国民的感情に則ってもいる。もし真正の情報が彼に与えられていたらと思うと、悲運でならない。戦争の自信(1944年10/18)も堂々と書けなかっただろう。
2015/08/07
ネコ次郎
かくも苦労して読んだ本は最近珍しい。表現は決して難解ではないが、時代の波濤に飲み込まれて行く日本人が生々しく描かれていて、息苦しくなるのだ。これが作家の業というものか。あの時代に書いた日記が3,000枚。書かずにはいられない、という人間がいたからこそ残った記録である。
2016/04/06
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