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大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

作家
島本理生
出版社
新潮社
発売日
2007-03-01
ISBN
9784103020318
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大きな熊が来る前に、おやすみ。 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

島本さんのゆったりとしたココロ温まる3編からの短編集です。なんとなく気のせいかもしれませんが、いつものキレキレな島本さん特有の雰囲気は控えめで、ちょっとよしもとばななさん風な作風がとても好みでした。作者さんが書きたいように自由に書いた感じが伝わってくるようです。やっぱり書ける人はどんな雰囲気の作品でも、違和感なく書いてしまえるんだなぁと感じずにはいられない、そんなありがたくなるステキな読書時間でした。普段の島本さんのダークな感じが苦手な方も本作はスッキリと読み進めることができ、きっと好きになると思います。

2016/09/16

nico🐬波待ち中

大好きな酒井駒子さんの絵が表紙になっていた本。それだけでわくわくしてしまう。3本の短編は暴力にあった女性達の物語。トラウマを抱え一人思い悩む彼女達をそっと応援したくなる。眠る間際、毎晩のように必死で祈る彼女。今夜はどうか悪い夢を見ませんように…何度も何度も祈る。「早く寝ないと大きな熊が来て食われるぞ」幼い頃呪いの言葉のように父に繰り返し言われていた彼女も、トラウマを乗り越えそのままの彼と向き合うことに決めた。穏やかに粛々と。みんなのこれからが明るいものとなりますように…静かにそっと祈りたい。

2018/07/24

めろんラブ 

逃げる?逃げない?それとも逃げられない?その関係から、その世界から・・・。弱者はいつまで弱者であり続けるのか。強者は強権を振るいつつ何を思うのか。虐待などの暴力支配の記憶が後の恋愛に作用する様がヒリヒリと痛い。ざらつく感情が一気に沸点に達する恐ろしさと、それを知るが故の葛藤、恋の始まりにつきまとう不穏が仄暗い。端正な中に瑞々しさが光る筆致で好感度&共感度大。ただ、シリアスなモチーフを扱っているにしてはさらりと美しくまとまりすぎているような。歪でもぐりぐりと深層に突っ込む作品が好みゆえ、少々淡白に感じた。

2013/02/08

優希

様々な形をした、背景のトラウマ、心の傷の断片に焦点を当てた3編の短編がおさめられています。傷つけられるのも救われるのも人によるものなんですね。愛されることに迷うから何かを傷つけたりするんですね。そういうのが生々しくて重いです。心身の暴力がテーマになっているのに読みやすく、愛おしくなる作品なのが不思議です。

2015/01/10

sk4

島本理生さんの小説は最近読み始めたんだけど、イイですね。登場人物が不器用でイイ! 人間なんて誰だって臭いウンコするし臭いシッコするし10日も体洗わなかったらホームレス臭がするもの。それに金に汚くて嫉妬深くて怠惰で弱いものいじめが大好き。誰もがそうです。 そういうダメな人間のダメな部分までひっくるめて愛せるものなのかな? この本はそういう事にいろいろ気づかさせてくれる、そんな感じでした。

2012/11/21

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