自家製文章読本
自家製文章読本 / 感想・レビュー
棕櫚木庵
本書で,漱石『坊ちゃん』の末尾が激賞されているという話を聞き,この著者の『日本語相談』(朝日文庫, 1995)などを面白く読んだ覚えもあって,図書館から借りたが・・・叙述が脱線してばかりだったり自分は戯作者だと開き直ったり・・・これらはこの著者の面白さだったと思うけど,本書ではそれが裏目にでているように感じた.いや,私の方が歳取って頭が硬くなったのかも.もちろん,個々の指摘には興味深いものが多かった.そのいくつか.→
2024/03/09
amanon
「文章読本」と名のつく書物は恐らく本書が最後ではないだろうか?そう考えると複雑な思いにかられる。しかも、昭和が終わる数年前に出たというのだから尚更。そしてその事実は、いみじくも巻末で「画一的な読本などあるはずはない」と断じられていることによって裏付けされるというのは、些かこじつけに過ぎるか?それはそうと、今回本書を繙いて少なからず驚かされたのは、著者がソシュールやヤーコブソンなどの言語学者の著作を読んでいたこと。そういう言語学をも駆使した文章読本がその後世に問われることがなかったというのは、残念に思う。
2014/02/04
ナカムラ カツヤ
これまで読んできた文章読本系とは、明らかに違う。作者がとても広い視野で物事を捉えているように感じた。 日本語の形態、音、文体、文間、オノマトペ。 多角的な視点を分けてもらえたように思う。 井上ひさし作品は初めて読んだのだけれど、これだけ面白いのであれば、他の本も是非とも読みたい。(図書館で借りました。文庫が貸し出し中だったので単行本で)
2012/04/16
tangent
直接的な文章指南の内容ではなかったが、大作家の考えに触れることができたのは収穫だろうと思う。
2023/09/17
感想・レビューをもっと見る