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國語元年

國語元年

國語元年

作家
井上ひさし
出版社
新潮社
発売日
1986-05-01
ISBN
9784103023197
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國語元年 / 感想・レビュー

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そうたそ

★★☆☆☆「全国統一話し言葉」の制定を命じられた官吏の南郷清之輔。方言を統一するために立ちはだかる幾多の難問に四苦八苦しつつも奔走する人々を面白味たっぷりに描いた戯曲。とにかくこの作品は方言というものの面白味につきるであろう。そういう意味では文字のみで表しきれない、異なるベクトルの魅力があると思える。つまり、お芝居でみたらもっと面白いだろうということ。勿論、この戯曲そのものが力作であることは否定しないが、お芝居となって初めて真の魅力を発揮する作品だろう。文字で読むとなんとも頭に入ってきにくい作品だった。

2018/01/17

びすけっと

1986年5月刊。ドラマの記憶があるのですが、舞台の脚本だったのですね。名作。おしこみ(強盗)の虎三郎が好きです。ことばが一番近いからでしょうか?いやいや、主人の仕事「全国統一話し言葉」立案に当たって、それでケンカしたり、口説いたり、強盗したりできるか?と問うところ。それよりも何より「言葉ヅモノワ、人が生ぎでエグ時ニ、無くてはならぬ宝物ダベエ~」のくだり(p.158)。上から縛ろうとしてもうまくゆかぬ、万人が作り上げるものだと井上ひさしさんはきちんと申しています。読むのに2.5倍の力と時間がかかりました。

2014/06/19

にがつ

戯曲。舞台の宣伝をしているのをテレビでみたので気になった。お国の言葉ではなく日本で統一した言葉をつくれ、と命令された主人公の話。登場人物達が魅力的でそれが話を明るく保っている(ように感じた)のだけど、なかなかやるせない話だった。もう主人公をみんなが素直に尊敬したり慕って動いている姿がほんとに良い。主人公もどこかあっけらかんとしていてまたいい。言葉をいじくるなんてそもそもよくなかったんだ、というセリフが言葉はそれだけで生き物なんだから自由にしてやれって言われた気がしてなんだかハッとなった。よかった。

2015/07/07

kozy758

本当に豊かな方言を持つ島国日本に感動する。方言があってこそのこの戯曲である。祖父は方言しか話せなかったので意志疎通ができなかった。やはり共通語は必要ではあるが、そんなことはもう過去の話となりつつあるのだろうか。重左衛門と修二郎がこっけいで不器用な感じが良かった。こうしている間にもアイヌの言葉はどうなっているのか気がかりだ。

2018/01/11

安藤スミス

明治七年、全国統一言語を作ろうとした主人公を中心とした戯曲。戯曲ってのはやっぱ演劇で見たいなぁ。特にこの作品は「訛り」がひとつのテーマなのでイントネーションが何となくでしかわからなかったのはとても残念。

2012/11/20

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