真昼の悪魔
真昼の悪魔 / 感想・レビュー
Enzo Suzuki
「深い河」を超えた。最近読んだ数十冊の中でダントツ。とくに文庫227ページ「悪魔についての話」はカラマーゾフ級の興奮。イワンとイワンの会話並みの思考が女医と神父の間で交わされる。1匹の羊を失った時 99匹の羊を犠牲にしてでもその1匹を探すのか、または1匹を犠牲にしてでも99匹の羊を守るのか。人間のモラルは功利主義を説き伏せるほどの価値があるのか。イワンは悪魔に負けた。この作品のウッサン神父も悪魔に負けた。理由無き悪はどう止めるのか。その答えに遠藤周作は「愛」を示した。感じなくてもいい、形や行動でとにかく示
2012/03/21
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