大江健三郎作家自身を語る
大江健三郎作家自身を語る / 感想・レビュー
kenitirokikuti
図書館にて。自分の読書歴では、大江と村上春樹はほとんど読んでなくて、自分の10代は80年代後半の新本格ミステリーが主でした。新潮社なら「純文学書下ろし特別作品」シリーズじゃなくて「新潮ミステリー倶楽部」。大江論は、笠井潔の評論『球体と亀裂』で読んだ覚えがある。先日『大江健三郎自選短篇』と『万永元年のフットボール』等を買って積んだままだが、『新しい文学のために』を先に読むことになりそう。
2021/04/07
amanon
インタビュー集ということで、一気に読み終えた…とはいかず、大江氏の文章と同じく晦渋…というか、独特のまどろっこしい口調で、あああの語り口があの文体に反映されているのか、と納得させられることに(笑)。それはともかくとして、この回想記を紐解くことで、氏の経歴と共に戦後文学史も垣間見られる。世代は違えど同じ時代を生きた作家への眼差しや思いは、文壇という言葉が殆ど死語となった今だからこそ一層重みを感じる。そして、今は亡き武満徹や義兄伊丹十三への思慕、光を初めとする家族との関係性への言及は、読む者の心を打つ。
2019/04/04
Figaro
大江氏の日々書き連ねてきた50年の歩みもさながら、氏の言葉を正確に掴みながら、最後まで丁寧に氏の意図まで聞き取った尾崎氏の手腕と大江文学への造詣の深さに感銘を受けた。
2014/11/09
蜜
本人の言葉でその長い作家生活を垣間見ると、この人は人生のおよそあらゆる問題を、書くことと読むことで解決して来たのだなと感じる。それを可能にする、「言葉」への執念と才能は、不世出のものだと思う。
2010/08/17
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