KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

灰色の虹

灰色の虹

灰色の虹

作家
貫井徳郎
出版社
新潮社
発売日
2010-10-01
ISBN
9784103038726
amazonで購入する

灰色の虹 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

takaC

雨宮健(目撃証人)が殺られなかったことを心外に思ってしまった自分は、著者にマインドコントロールされてるね。伊佐山刑事の飲んでたキャバクラの女が江木杏子か?などとも思ったけど、回収はもっと上を行くアクロバティックさだった。しかし、山名刑事にしても結局市瀬孝幸殺人の真犯人が誰なのかはどうでも良いわけね。人間社会は怖ろしや。

2012/06/30

nobby

貫井さんは何故こうまでに、やるせなく切ない物語を描けるんだろうか…まさに“冤罪”の生まれる模様と、その復讐なる連続殺人の様子を交互に描き、極めて重いテーマだが一気読み必至。捜査や裁判を担当した刑事や検事に強引な手法も感じながら完全な悪ではなく彼らなりの正義故…自白の正当性の難しさを改めて痛感。負の連鎖で彼を守る存在がほぼ現れない中、信じる人間が減り、周囲への冷たい目線が増えていく。遅ればせながら山名が無実の真相に辿り着いたのが救いか…トドメの涙促す最終章は反則…

2016/10/10

nyanco

テーマは「冤罪」。地味に真面目に生きてきた人が思いもしなかった落とし穴に。這い上がれないだけでなく、もがく度に周りがどんどん崩れ穴が広がる蟻地獄。強引な刑事、現実を知らない検察、信じてくれない弁護士、無実だと言うのに人はこんなにも無力なのか。自分がそして家族や友人知人をも捲き込んで人生が壊れていく様子が恐ろしい。先に先にと読み急ぎ、どんどんとページが捲られていきました。「PAST 0」、時間軸は事件の前に…タイトルの意味が解るこの章、本当ならあったはずの明るい未来が踏みにじられたことが実に哀しい。続→

2010/11/01

zero1

冤罪の問題は、死刑だけではない。 本書はそれを示している。 上司が殺された事件で、主人公が容疑者となる。 取調べは厳しく、噓の自白をしてしまう主人公。 裁判では否認するものの、有罪に。 服役後、帰宅した主人公には厳しい現実が待っていた。 この事件の関係者が次々と殺される。 刑事、検事、そして・・・ 事件にはどんな裏があるのか? 長い作品だが読者を飽きさせないのは流石。 ただ、裁判官の行動は理解しがたい。 この点については不満が残る。

2018/10/16

Tsuyoshi

何の罪もない青年が冤罪によって運命を狂わされ、復讐に及ぶ話。長編だが当事者達の経緯が詳細に描かれていて飽きる事なく読み進めた。復讐はダメなんだろうが冴えない人生の中でやっと掴んだ小さな幸せをすべて摘み取られてしまい、立ち直る環境すら与えてもらえなかった背景を目の当たりにすると同情せざるを得ず、完全に肩入れして読んでしまった。冤罪が本作のように一方的に生まれてしまうものだと考えると恐怖と憤りを感じる。

2018/02/02

感想・レビューをもっと見る