日本語は天才である
日本語は天才である / 感想・レビュー
keroppi
世田谷美術館の講演の中で、この本のことを知った。翻訳家である著者が、日本語の面白さや奥深さを語る。回文や四十八文字を使った歌といった言葉遊びから、七をシチと読むかナナと読むかといった論考、ルビや方言の魅力、翻訳する上での日本語の天才ぶりまで、実に様々な角度から日本語の素晴らしさを語っている。文字の一つ一つが、とても愛おしく思えてくる。
2023/04/11
びすけっと
2007年2月刊。寛容で多様性を包み込む日本語のすばらしさを太古の言葉や近現代文学と幅広く用いて説明してくれています。音は五十に満たないのに、多種多様な文字を用いる日本語は本当にすごい。第五章は総ルビ。そう日本語には他言語にはあまり例を見ない「ルビ」もある。ルビという語は舶来ものとか。ルビがあることで読み手に優しく、伝える側の意も上手に表現できます。ナナと読むかシチと読むか(p.168-)は機知に富みます。他言語を使えることにこしたことはないけれど、日本語を幅広く使いこなせるようになりたいなあ。
2015/06/07
i-miya
1943.00.00 生まれ 根室 早稲田大学博士課程修了 むしろ偉大な芸術は、おかしみが入り込む まえがき 最大の奇蹟は言語である 国字 榊 辻 畑 畠 躾 ジェイムズ・ジョイス 『ユリシーズ』 言語の可能性を追求 『フィネガンス・ウェイク』 第3章 平和な言葉、日本語 ロアルド・ダール 猫に敬意 おしっぽ お爪 おヒゲ お鼻 家庭内言語 ルビ 筒井康隆
2007/06/28
呉下の阿蒙
柳瀬尚紀は天才である。/ 第6章の根室弁では、耳にしたことのない柳瀬さんの肉声が聞こえるような気がした。
2018/01/15
脳疣沼
日本語は確かに言葉遊びをする面においては優秀な言語かもしれない。ルビも考えてみれば面白い。しかし、日本語でなんでも翻訳できるとは言っても、読む側は、その翻訳に使われた難しい言葉を知っていなければならない(或いは、その都度辞書を引く)わけで、著者レベルの翻訳を楽しむには、こちら側も知識と(辞書を引く)根気が要求されるわけだ。
2016/03/14
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