切れた鎖
切れた鎖 / 感想・レビュー
ゴリ
なかなか読み難い短篇集。この作家には、何か世の中への歪んだ気持ちや自分自身に歪んだ心が住みついているのではないでしょうか。小説家だから、そんな深淵なものを持って、作品を書くことによって期待されんるだけど・・。なんとも読んでいて気持ちが良くない。しかし、表題作の「切れた鎖」は、地方の一族の血の繋がりが受け継がれることによって、なんとも逃れられずもがくオドオドろしい心が描かれて秀逸。隣家の教会の存在が真実なのか、それともこの一族の心が産み出した想像なのか分からなくなるのが良い!
2012/01/30
みんと
3篇の話で構成されているこの本だが、どれも、著者のカラーに思いっきり染まっていて、読む側にとっては好きな人と嫌いな人に極端に別れるのではないかと思われる。使われている言葉も衝撃的であり、自分もその中に染まって読めるかが鍵となる。芥川賞候補になった作品ということだが、私の頭ではちょっと、理解するのが無理なようだ。感情的に何か満足を得たいと思いながら読んではいけないのだろう。
2009/03/31
ミツ
第21回三島賞受賞。表題作ほか「不意の償い」「蛹」を収録。 一文が長く、時間も場所も、夢も現実も曖昧なまま、滔々とした意識の流れが描かれ、筋を追いにくく、読みづらい。 静かだが静謐ではなく、感情が渦巻いているが激烈ではない、淀んだ泥のような、読書のカタルシスを全く感じさせない作品だった。 褒めているのかけなしているのか自分でもわからないが、とりあえずお勧めは「蛹」。
2010/04/11
唯誠
「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の三篇から成る本作、それぞれ短編ではあるが、ある程度の時間を読み終えに要す。一文の長さ、句読点の独特な間隔、表現の凄さとインパクトある言葉の数々、難解な文体のもたらす憂鬱さ、濃密…濃厚な閉塞感漂うそれぞれの主人公の生き様、しかし、その視線、捉え方は優しく、読み手の脳裏に情景を描かせ想像させる。赤裸々に故に重く、描かされたものが時を経ても引き摺る。現実と妄想、男と女、夫と妻、不安と期待、憎悪と絶望、本物と偽物、変化と停滞、血と地…その場しのぎではない…現実的な人生の物語。
2020/08/13
もっさん
わけわからんかった
2013/09/08
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