サクリファイス
サクリファイス / 感想・レビュー
mitei
弱虫ペダルを読んでから本書に興味を持って読んでみた。なんとなく弱虫ペダルの登場人物が出てきているような名前が多かったので親近感が湧いた。そしてこの競技って犠牲(サクリファイス)がレースに重要な要素なんだなと思った。内容についてはアシストに徹する主人公が最後エースからアシストされていたことが衝撃だった。また続編のエデンがあるとのことだったので読んでいきたい。
2016/08/29
めろんラブ
真相が明らかになるにつれ、衝撃に飲み込まれそうに。序章ではや心をロックされ、終章まで一気に読ませる緊張感溢れる展開。これはすごい!読メの評判に偽りなし!ロードレース。勝利を引き受ける覚悟と犠牲をいとわない献身が融合する、美しく残酷な世界。どれほどの嫉妬や羨望、策略が渦巻いていてもその美しさは翳らない。彼らの覚悟と献身がある限り・・・。「サクリファイス」の真意を知る彼があの刹那見たものは、青空でもアスファルトでもなく、これまでの、そしてこれからの男達の輝く背中だったのでは。そう思いたくて堪らない。
2010/08/27
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
自分の順位を下げても、リタイヤしても【エース】の勝利に全てを捧げる【アシスト】の存在。自転車のロードレースがこれほど自己犠牲を求められる競技だと初めて知りました。合理性を尊ぶヨーロッパで人気が高いのも頷けますが、日本の武士道に通じる精神性も感じます。決して日本ではポピュラーと言えない世界を舞台にしながら説明調には陥らず、プロの世界で追う者と追われる者の息遣いを臨場感たっぷりに描いています。肉体の躍動感、心理描写、サスペンス。全ての謎が解けたラストで【犠牲】の真の意味が明らかになります。大藪春彦賞受賞作。
2014/06/24
エンブレムT
「どこからやりなおせば、この結果を避けられるのだろう。後悔せずに済むのだろう」読みながら冒頭のこの言葉が繰り返し脳裏をよぎった。ロードレースというチームで戦う独特の世界。勝つためのエースと、勝たせるために働くアシスト。想いを託される者と託す者。表裏一体の彼等。疑心暗鬼に陥る手前の主人公・誓(チカ)と共に考え続ける。誰が、なぜ、なんのために?霧が晴れたように全てが見渡せた時、渡されたバトンの重みに気が付き涙した。「サクリファイス」タイトルの意味は「犠牲」。
2010/05/22
takaC
『Story Seller』収録の「プロトンの中の孤独」を先に読んでいたことで推理の方向性が定まってしまっていたのが反則的だが、この物語は傑作だった。文庫本も並行読みしているけど最後まで読むつもり。
2011/01/10
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