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こどもホスピスの奇跡: 短い人生の「最期」をつくる

こどもホスピスの奇跡: 短い人生の「最期」をつくる

こどもホスピスの奇跡: 短い人生の「最期」をつくる

作家
石井光太
出版社
新潮社
発売日
2020-11-26
ISBN
9784103054573
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こどもホスピスの奇跡: 短い人生の「最期」をつくる / 感想・レビュー

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ちゃちゃ

子どもが子どもらしく生きるために“友として寄り添う”場、それがこのホスピスのスタンスだ。ホスピスというと死を看取る場という印象が強いが小児医療の場合は少し意味が異なる。辛い治療現場を離れて笑顔で過ごすための場なのだ。2016年大阪鶴見に設立された日本初の「こどもホスピス」は、多くの人たちの強い願いと祈りと奮闘によって誕生した。いたずらに苦しい延命措置を図るより、「LIVE DEEP」。短くても充実した最期を過ごすことが、逝く者にも遺る者にも、いかに幸せをもたらすかを伝えてくれる素晴らしいノンフィクション。

2021/04/29

ぶち

読友さんのレビューを拝見して知った本です。ホスピスと聞くと末期患者が息を引き取るまでの"看取り"ケアが心に浮かびます。"こどもホスピス"は違います。子供たちが辛い治療の場から一時離れ、家族や友人と笑い合って生涯の思い出をつくる"家"としての空間なんですね。成人のホスピスとは異なる考え方で運営されるこどもホスピスが病院の論理や規則から離れた場所に必要なのだということが、この本に登場してきた子供たちの闘病生活を垣間見させていただいて、しっかりと理解できました。読んでよかったと思えるドキュメンタリーでした。

2021/10/23

モルク

ここで言うホスピスは、看取りの場と言うより患者と家族に休息を与える場である。厳しい闘病生活を送っている病児たち。彼らの望みは家族に囲まれごく普通の子供として勉強したり遊んだりすることである。しかし病院や親の都合で入院生活を伸ばし、辛い治療を施すのが現実だった。それよりも、残りの人生を精一杯過ごし楽しい思い出作りをするのが双方の幸せに繋がるとの理念のもと立ち上げられたプロジェクト。あくまで主役はこどもたち。彼らの笑顔のために…と、関わった方々の苦労は計り知れない。読むときはハンカチ、ティッシュと共に。

2021/02/17

trazom

大阪市鶴見緑地にある民間の小児ホスピス「TSURUMIこどもホスピス」の物語。施設の開業に至るまでの、医師、看護師、保育士、保護者たちの試行錯誤の物語が、志半ばにして天に召された多くの子供たちのエピソードとともに胸に迫ってくる。医学を駆使した延命作業に疑問を持ち、こどもたちと家族の日常を満ち足りたものにするためにどうしたらいいかを模索する人たちの誠実さが、この施設の原点である「友として寄り添う」という言葉に込められている。背景に余りにも多くの悲しい物語を背負っているからこそ、善意が透き通って心に沁みる。

2021/01/29

itica

「TSURUMI こどもホスピス」は難病の子どもや家族に居場所を提供し、支援して行くことを目的として作られた。医師も家族も少しでも長く生きていて欲しいと願う。しかし辛い延命治療の末に逝った子どもは幸せだったのだろうか。長い闘病後、家に戻ってどうやって一般社会に馴染むのか。そんな疑問の中、生まれたこどもホスピス。子どもに笑顔が戻ったことや生きがいを見つけたこと、家族が救われたことに、こどもホスピスの存在の意義を強く感じた。

2023/05/28

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