グレート生活アドベンチャー
グレート生活アドベンチャー / 感想・レビュー
白のヒメ
主人公引きこもりの男、三十歳、職業「勇者」。ふざけた小説かなーと思っていたら、なんのなんの深い小説でした。平易な口語記述で、こんだけアーティスティックな文章が書けるのは凄い。芥川賞とか三島賞とかの候補になるのが納得でした。初読みの作家さんだけど、著書全て追いかけたいです。真の芸術家とは、美しい修飾語や難しい哲学的な言葉を使わなくても、読者を惹きつける魅力があるものなんですね。初めてのタイプの作家さんです。舞台人でもある、いわゆる天才ですね。面白かったです。最近読んだ現代小説家の中では超当たりを引きました。
2013/12/10
ジョニーウォーカー
人は死の直前、これまでの人生を走馬灯のようにふり返るという。でもこれ、実際に死んだ人の体験談ではもちろんなく(たぶん)、あくまで言い伝え。そういう意味で、一人の女性の飛び降り自殺を描いた収録作「ゆっくり消える。記憶の幽霊」はなかなか興味深いものがあった。現世とのすべての関係性を絶ち、美しく完璧な死を遂げようとする彼女が最期に見せた、他者への執着、そして自意識…。人生はドラマチックに見えて意外と滑稽で、緻密なようでわりといい加減。伝説や物語のようにそうトントン拍子に上手く事は運ばないのだ。
2009/10/08
ドナルド@灯れ松明の火
これが芥川賞候補だった?残念ながら私としては文体が合わず内容もグダグダでこれを候補に選考した委員が?なのか、競合作品が?だったのか。最後は流し読みだった。
2014/09/17
ミツ
なんというか、いつもの前田司郎である。表題作はミニマルな日常の生活ととりとめのない思考がふわふわゆるゆると流れ、それが心地よく愛おしくもあるのだが、時おりそこに隠されたアンニュイな感情が影を落とす。それでもわずかばかりの、ほの明るい希望を感じさせる終わりとなっており、コンパクトかつシンプルながらも地味な名作。併録の『ゆっくり消える。記憶の幽霊』は語り手である私の死の間際の支離滅裂な思弁と独白がないまぜになって流れ、ゆる~くかるいながらも少しうるさく感じた。
2013/07/02
りちゃ
何だこれ?と思いつつも、引き込まれてしまった。30歳無職やる気のない男の数日が描かれているだけだけなのだが・・・何だか妙に面白い。
2015/05/07
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