ジーン・ワルツ
ジーン・ワルツ / 感想・レビュー
ちはや@灯れ松明の火
『赤ちゃんはどうしてできるの?』『冷徹な魔女の魔法で生まれるのよ』無邪気な幼児の問いに真顔で答えれば恐らく時間は一瞬凍る。けれどあながち冗談じゃないのが出産の現実。熾烈な生存競争のワルツを舞い踊ったたまごが人の形をとってこの世に辿り着くまでの奇跡的確率。迷い苦しむ患者に対し聖女の顔した魔女は顕微鏡と硝子管を手に微笑みかける。そして出産を援護すべき医療現場が追い込まれた窮状に憤る魔女が選んだ神の領域と呼ぶべき禁断の術。やがて魔女は聖母子の神殿に君臨する女神となるかもしれぬ、生命の誕生を司る者として。
2010/08/17
ダイ@2019.11.2~一時休止
東京篇その1。医師と5人の妊婦の物語。全員をハッピーに持っていかないのは、らしいなと思うが医師に共感できない。
2014/04/17
がらは℃
理詰めのクール・ウィッチが、大暴れ。清川先生はずっとタジタジしていたような。。。
2010/11/14
藤枝梅安
これはお勧めの本です。久しぶりの「一気読み」でした。主人公の曾根崎理恵は桜宮・東城大学出身。この作家の一連の作品のテイストをそのまま受け継いでいると思ったら大間違い。ミステリの仮面をかぶった半分ノンフィクション。不妊治療、地方の公立病院の弱体化、少子化問題、代理母出産・・・、現在の「社会」と「医療」の問題を医者と妊婦の立場から鋭く切っています。それに対抗するのは有力大学の医局と厚生労働省。まさに巨大な組織に立ち向かうスーパー女医たちの物語。
2010/10/10
くろり - しろくろりちよ
大学の講師をしながら不妊治療を行っている理恵。法改正により、産婦人科医は激減、マリアクリニックも5人の妊婦を最後に閉院を余儀なくされた。子どもを授かった5人は、その過程で母親になっていく。そして不妊治療に隠された理恵の思惑。そこには理恵自身の卵、理恵の愛した男性か、同僚との子どもが混じっている可能性が。どの卵が生まれるか。クール・ウォッチ、理恵が滅びゆく未来の産婦人科の命運を掛けた勝負。神の領域…遺伝子の踊るワルツを。マリアクリニックと地域医療を担う産婦人科に、幸あれ。
2012/11/18
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