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シズコさん

シズコさん

シズコさん

作家
佐野洋子
出版社
新潮社
発売日
2008-04-01
ISBN
9784103068419
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シズコさん / 感想・レビュー

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モルク

洋子は4才の時、母と手をつなごうとして振り払われた記憶が鮮明に残っている。母に愛された記憶もなく、母に甘えたり愛することができずにいた。中国から子供を連れて引き揚げてきた母、7人も子供を産んだが3人を亡くした母、おしゃれできれいな人…だけどごめんとありがとうを言わない母。何度も「母が嫌いだった」という言葉が出てくるし、辛辣な言葉も多い。それでも母を施設に入れたことへの後ろめたさ、呆けて少女のようになっていく母にやっと寄り添えるようになる。ご自身も乳癌転移で余命宣告されるなか、大切なひとときだったに違いない

2021/10/16

honyomuhito

母親と娘の話というのは、怪談話に似ている。お互いは自らを映す合わせ鏡のようであり、親子であることはそれから目をそらすことを許さない。異性であれば可愛さに変わることも、同性の場合は憎さに変わることもある。認知症でそれまでの灰汁がすべて抜けたような母親と向き合い、著者は初めて生きていてよかったんだと自分を許し、母親のことも許せるようになる。著者の幼い頃からの思いを想像すると、余人が軽々にわかるなどとは言えないものがある。https://chirakattahondana.com/シズコさん/

2018/12/30

ゆみねこ

母が認知症になって、初めて分かりあうことが出来る。。佐野さんの壮絶な母子関係。最近母と娘の関係の本をあちこちで見かけるようになったけれど、同性の場合は反発もよりキツくなってしまうのでしょうか。高齢の母を持つ娘の立場としては、他人事には思えませんでした。

2015/02/11

takaC

読みかけで数年放置していたが、ちょっとしたきっかけで頭から読み返した。放置している間に著者のヨウコさん自身もご他界されてしまい、本の印象は前回とは微妙に変わったかも。

2012/11/03

新地学@児童書病発動中

お母さんとの確執を描いた、佐野さんの本。強烈な印象を残す。きれいで、たくさんの子供を育て、家事もバリバリこなすお母さんが歳をとり、次第に弱っていく様子は読んでいて、胸が詰まる思いだった。お母さんに長年嫌われていると思っていた佐野さんが、お母さんと和解する場面は感動的。涙がこぼれた。終戦直後に病気で死んでしまった弟のことを忘れないよ、と誓う佐野さんの優しさが心にしみる。

2012/10/29

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