無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記
無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記 / 感想・レビュー
ミカママ
満を持しての読了。「ふたりで暮らしていた無人島だが、あと数週間で夫は本島へ帰り、私は無人島に残る時がもうすぐ来るらしい」、わたしの大好きな作家さんは、病床にあっても最期までカッコよかった。もう新作は読めないが、残された作品を大切に再読していきたい。
2022/12/21
starbro
山本 文緒、5作目です。正真正銘の遺作&絶筆、涙なくては読めない余命四箇月膵臓癌闘病終末日記でした。著者の夫の献身ぶりに感服しました。私の姉と同い年、著者の新作が今後読めないのは大変残念ですが、心よりご冥福申し上げます。私は、ガンサバイバーですが、来年著者の享年となります。 https://www.shinchosha.co.jp/book/308013/
2022/12/03
Sato19601027
余命宣告されてからの日々を綴った闘病記。ご主人はじめ、優しい人々に囲まれるが、お客様が帰った後に身体が悲鳴を上げることも克明に記される。読書中、若くして旅だった友人たちのお葬式と辛かった記憶が急に湧きあがり涙が溢れる。父が逝ってからはより敏感で、ざわざわしながら本を読み終えた。先生の「未来はなくとも本も漫画も面白い。とても不思議だ。」という言葉が印象的だ。先生が読まれていた本と漫画を全て読みたくなる。先生の命日は10月13日。逃病記と笑いながら最後まで作家を全うされた先生に敬意を表します。あらためて合掌。
2023/10/04
読特
一次会を締め、二次会を始める。後は時間の許す限り。まだ続けられるかも、と思ったところで終わってしまう。”逃病”生活5か月の日記。120日は超えられた。…「登場人物の身体のなかに読み手を入れる」とは、角田さんの評。読んでる間は日記を綴ったその人になった。余命宣告。闘病しない。緩和ケアで穏やかな毎日を過ごす。何気ない日常。でも明日は来ないのかもしれない。自らが亡き未来を想像する感覚。無人島に一人でも寂しさすら感じない。…現実の自分にまだ先はある...はずだが、唐突にそれはやってくる。最期の瞬間まで今を生きたい
2023/12/19
けんとまん1007
いのちを、時間を思う。そんな瞬間は、ありそうで、意外にない。そんな経験があるので、こころに落ち着かないものを抱えながらページをめくる。思うに任せない時の心情、となりにいてくれる人への思い。とても言い表せないものがある。切なさが残る一方で、人の持つ広さ・深さを考える。
2023/01/28
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