となりのセレブたち
となりのセレブたち / 感想・レビュー
ヴェネツィア
5篇を収録。篠田節子さんの小説は基本的にはエンターテインメントなのだが、それでも登場人物たち(ことに女性たち)には、切実さといったものがある。それが読者の共感をも誘い、心の琴線を震わせるのだが、残念ながらここにはそれは希薄である。タイトルにあるように、セレブたちの物語なのだが、それらはあくまでも「となりの」であって、ちょっとリッチなプチ・セレブのお話なのだ。つまり、身近な分だけ滑稽でもあり、楽しく読める物語群ではある。ただし、そこまでなのだ。これは彼女の余技とでも言うべき軽快なエンターテインメントなのだ。
2017/10/22
ナイスネイチャ
図書館本。短編集で表題のセレブは最初の章のみ。どれもブラックユーモアたっぷりの作品でした。犬と山小屋で暮らす「クラウディア」が一番面白かったかな。
2016/07/31
まちゃ
篠田さんのこれまでのイメージとは違う面白さがあり楽しめました。星新一さんのSFを思わせるストーリー展開で高齢化社会をシニカルに描いた「人格再編」のオチには感心しました。
2016/05/22
tama
図書館本 新刊案内で これは結構待たされた。市内図書館で2冊。いやぁ面白かった。構成が単純すぎず複雑すぎず、織り上げた文様のように置くべき位置に置かれ全体を作り出してる。この方、どんどん巧くなってるような気がする(エラソーに!)。「ヒーラ」が気に入りました。小松、筒井両巨星に肉薄するようなアイディアと展開です。ゲッとなるような素材を使い、よくまあそんな先まで風呂敷広げたなぁ。その意味では「人格再編」も先の先まで広がっています。「どう行こうが行き着くところは基本灰色」。先の短い者には楽しみな未来でもある!
2015/11/10
きさらぎ
セレブの暮らしでも覗いてみようかと読んでみたら全然そういう話じゃありませんでした。いつも気取ってた奥さまがドライフルーツで本性をさらけだしたり、家族には抵抗する猫がその家の客のような嫁のエリカにだけなついたり、犬の配下におかれたり。主従関係はいつ逆転するかわからないから怖いですね。吹き流しを飼うのはめんどくさいけどヒーラー一度は試してみたい!餌食になるまではまってしまいそうです>_<
2016/02/19
感想・レビューをもっと見る