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原発依存の精神構造: 日本人はなぜ原子力が「好き」なのか

原発依存の精神構造: 日本人はなぜ原子力が「好き」なのか

原発依存の精神構造: 日本人はなぜ原子力が「好き」なのか

作家
斎藤環
出版社
新潮社
発売日
2012-08-31
ISBN
9784103140528
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原発依存の精神構造: 日本人はなぜ原子力が「好き」なのか / 感想・レビュー

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ころこ

原発は過去の失敗だとして、普通はうつ病が多くなったことに着目するのが普通でしょう。ところが、原発の測定不可能な潜在性は、不確実な未来を否応なく志向してしまうとして、未来志向にもっていきます。原発の潜在性はひとまず肯定を、予防可能だった原発事故の実在性には否定で向き合わないと回復できないと、分かりにくい論理で説明します。ある出来事に対して、その意味を探るというのが著者の文筆業に対する態度です。時として、著者が何かに専心するときは、ベクトルが明確に決まっているために、かえって論のキレが落ちる逆説があります。

2019/10/17

向う岸

震災及び原発事故以降、僕が考えていたことを強化し疑問に解答を与えてくれた本。人生は確率的に過ぎないこと、象徴化することで思考停止してしまう危険性、半永久的に続く危険からどう距離をとって、かつどう向き合うか。どの内容についても納得出来た。ようやくこういう本に出会えたという喜び。

2013/01/24

ブルーツ・リー

以前文芸誌「新潮」で読んだ内容を改稿したものだったため、大半が既読だった。 内容は原発問題に関連した思想を書いたものであって、原子爆弾を落とされた日本の、トラウマからの離脱として、原子力発電と恋に落ちてしまったのだ。というもの。 原子力を発電として利用して、事故が起こってもそれに固執するのは、合理性という観点からすれば不合理でしかなく、日本人はトラウマからの回復のために、原子力を享楽しているのではないか。という、精神科医師らしい分析だった。 冷静な分析で、単なる感情的な脱原発文とは一線を画すと思われた。

2022/02/15

飯田一史

こんなタイトルだが文芸誌連載なのでトピックは純文学と思想について。なかなか面白かったが、311の象徴化や絆、がんばろう東北的な安易な物語化に対して換喩と手近にあるものをとにかく使うブリコラージュを称揚する斎藤に対し、でもそれ爆発した原発に消防車で放水したり、汚染水を紙おむつで吸収しようって発想といっしょで全然抵抗にならないでしょ、って山城むつみ氏が書評でツッコミ入れててごもっともだと思った。時間感覚がおかしくなったという話がいちばん震災後文学を考える上では重要かと。いろんな作家も同じことを言ってる。

2016/03/09

madofrapunzel

★★★☆☆ あまり集中してペラペラ読む気になれず、第三章まで。「被災した時間」はいい文章だと思った。木村敏氏の3つの分類を照らし合わせているところやドゥルーズ論は参考になりました☆彡

2013/08/09

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