12人の浮かれる男―筒井康隆劇場
12人の浮かれる男―筒井康隆劇場 / 感想・レビュー
あた
十二人の怒れる男を知っている方ならば、そのパロディと分かります。まさにその正反対が、面白さであり、多数決に持ち込まれて怒涛のように有罪になっていく怖さを感じました。将軍が目覚めた時も興味を持って読めました。実在の人物は、事前に出久根達郎の狂聖 芦原将軍探索行で知っていました。実在の人物を活かしながら、筒井の「創作」でこれも面白さと怖さが並列する作品でした。
2018/05/14
wang
戯曲集。以前に小説として発表されたものも戯曲に直している。実際に舞台化されているものもある。実際、筒井の小説には会話が多く始めから舞台やど映像をイメージして創作されているものも多いようで全く違和感がない。表題作は著名な映画化作品のパロディ。真剣に命の重さに立ち向かい元ネタと違い、この裁判を利用して目立とうなど私欲にまみれた陪審員達の思いがぶつかり合うドタバタなやりとりが面白い。終わりがあっけない。乗り越し駅は小説からして言い訳と追求の言葉の応酬が面白いから戯曲向き。
2017/08/10
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