三人小町の恋: 偽陰陽師拝み屋雨堂
三人小町の恋: 偽陰陽師拝み屋雨堂 / 感想・レビュー
藤枝梅安
「おこと」は12歳。捨てられていたのを、若い男に拾われて育てられた。育ての親はお人よしのイケメン偽陰陽師。その友人で歌舞伎作家が筋を書き、名題下の役者たちが演じて事件を解決するまでの物語。途中がもたつき気味なのがちょっと残念。連作短編にしてくれたほうが読みやすかったかもしれない。長屋のやんちゃ坊主・末吉と神社で育てられている文太も活躍する。常磐津のお師匠さんもなかなか一筋縄ではいかないようだ。登場人物は揃った。シリーズものの初めとしての「顔見世」という1冊である。宮部さんのあのシリーズに近い感じかな。
2014/05/21
はる
登場人物はなかなか魅力的です。特におとき姉さんは艶やかで格好良くて、主役三人を食ってしまうほどの存在感。今作の一番のお気に入りです。ただストーリーが長編としては弱く、間延びした感じで全編を引っ張るほどのパワーに欠けています。もっとコンパクトにして連作短編の様な形にしたほうが良かったのでは。文太のキャラクターももっと生かして欲しかったです。
2016/11/25
Norico
甘いもんでもおひとつ、を読んで気にいった田牧さん。今度は、陰陽師(といってもいかさまですが)のお話し。かっこいいにせ陰陽師に、気の強い養い子のおことちゃん、狂言作者、霊が見える少年って、割と好みの設定です。人情味あふれる解決?ですが、悪人たちも意外と気が小さいというか。もっと懲らしめてやりたい気も。どちらかというと、この方の作品は連作短編のが好きかも。つづきもあるのかな。
2016/01/13
ゆみねこ
偽陰陽師「阿部雨堂」と「おこと」が、三人小町の依頼で丑の刻参りの謎を追う。大がかりな仕掛けで悪人を懲らしめるシーンは面白かったけれど、何だか中途半端な感じで終わってしまった感じです。シリーズ化されるのかな?
2014/06/03
カザリ
読みにくかったなあと思う。。魅力的な人物設定なんだけど、なんとなく上滑りしている感じがした。ここのところ田牧さんの本を読んで、とても楽しいのだけれど、数冊を読んでみて、たしかに短編を引き延ばしている印象がでてきた。それでもいいと思うけれど、大団円がやっぱり短編のそれと似ていて長さのわりにふむ、となってしまうんだよね。。とはいえ、田牧さんの作品は全部読みたい!
2014/10/19
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