妄想老人日記 (ラッコブックス)
妄想老人日記 (ラッコブックス) / 感想・レビュー
おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
野坂老人のカッコよさに震える。疾走を続けた人生に、あがいても訪れてしまった晩年に至ってなお、破天荒な欲望の衝動と日々自制しながら敗北する。新聞を広げれば知人の誰かが死んでいて、その人との交わりを回想しては悼む。生き残って、古くなって、それでもまだ勃起する身の処遇を顧みる。若い女と見ればいついかなる時でも行為へと及ぶ可能性を捨てず、老人式どさくさ交渉術を駆使してホテルへ連れ込もうとする。いいところも悪いところも次郎系ラーメンくらいの大盛りに盛ってるんだろうけど、たとえ妄想であろうともこのジジイはカッコいい。
2014/05/31
kamome555
未来は過去にしかない年齢とまではいかないけど、(仕事以外)妄想をこそ生きている、という感じの日々なので読んでみました。妄想といいつつ、後半以降のとくに体調に関する記述はリアルでなんか胸が痛くなった。戦争を今に伝える活動に注いだ日々は、素晴らしいと思いました。
2014/02/04
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