劇的な人生こそ真実: 私が逢った昭和の異才たち
劇的な人生こそ真実: 私が逢った昭和の異才たち / 感想・レビュー
ぐうぐう
萩原朔太郎の孫である著者が出逢った昭和を彩った才人とのエピソードを綴った手記。冒頭の沼正三のえげつない逸話からぶっ飛びだが、パルコを創設した増田通二との交流を描いた章がいい。増田の支援を受け、著者は雑誌「ビックリハウス」を創刊する。その過程で、増田の都市論に戦後体験が透けて見えるエピソードにグッと来る。あと、天井桟敷に在籍していた著者が、演出にまるで無関心な寺山修司への疑問を自問自答する章も印象的だ。ともあれ、昭和という時代だからこそ可能だった人物とその出会いに、平成の寂寥感が逆に浮き彫りにされる。
2012/11/27
Tsuneto Ishi
新しくて面白い文化が生まれた時代が1970年代だと感じた。先例が無いことにチャレンジする志向が鮮明で、かつそれを制御する者がいないというある意味良い時代に思える。
2015/02/15
almondeyed
萩原朔美の若い頃の物憂げな表情を写真で見ると、この人は、本に登場する曲者達が放っとけないオーラを放っていたのかなと、逆に思った。寺山修司のエピソードは、大半が美輪明宏絡みで書かれている。美輪さんも昭和時代を濃く生きた人だけど、いまだに活躍中だから故人と一緒には書けないよね。
2014/05/23
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