アクシデント・レポート
アクシデント・レポート / 感想・レビュー
starbro
樋口毅宏は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。久々の新作は、二段組、650P弱、ノンフィクションの様な妄想フェィク某略インタビュー小説でした。著者が考えている政治、宗教、原発、某略等あらゆるテーマがテンコ盛りです。中村文則の『教団X』に匹敵する作品かも知れません。
2018/01/14
さらば火野正平・寺
1995年7月26日、史上最悪の航空機衝突事故が起きた。その事故には何か裏があるのではないか?。真相を追究しようとした者は変死を遂げるこの事件。ジャーナリスト矢島博美は事件の真相を知るべく関係者一人一人にインタビューする。芥川『藪の中』よろしくそれぞれの証言から浮かぶのは複雑な事件の姿以上に醜悪な戦後日本の姿。樋口毅宏の今のところの集大成だろう。『雑司ヶ谷』シリーズや『民宿雪国』とも繋がっている。タモリや小沢健二も絡む。悪や悲惨、残酷の坩堝の中で咲く花もある。大著ながら読むのが止められなかった。お薦め。
2018/01/20
おかむら
こりゃすげえ! 樋口毅宏の新刊はちょー分厚い600p越え、しかも2段組。1995年に起こった史上最悪の飛行機事故。に隠された真相を探るべくライターが関係者にインタビューしていく体。ん?1995年? 事実とウソが、実名と仮名が入り混じり怒涛の勢いで翻弄されまくる。これはまさに樋口さんの満漢全席だー! 正直ちょい胃もたれするほどのめり込んで読んでしまいました!
2018/01/07
keith
すごいなこれ。よく出版できたな。ジャーナリストの矢島博美が1995年に発生した航空機衝突事件の真相を探るべく、様々な関係者へのインタビューを纏めていきます。ホテルニュージャパンの火災、日航機逆噴射事件、オウム、原発。ほかにも様々なアングラな出来事に対し、虚と実をぶっこんでいきます。結局、何を言いたいのかわからんとこもありますが、圧倒的な熱量で2段組645ページを読まされてしまった。
2018/03/06
臓物ちゃん
『民宿雪国』で架空の昭和史を展開してみせたように、本作で著者は存在しない飛行機墜落事故のルポルタージュから平成という時代の業と宿痾を浮かび上がらせる。といっても著者が著者なので「時空を超えてあなたは一体何度……我々の前に立ちはだかってくるというのだ!小沢健二!」といういつもの調子で、林真理子だの松任谷由実だの実在芸能人を(無断で)ポンポン登場させながら、書きたい話を脈略無視で思うがままに書きまくった分厚い一冊。どうにもグダグダな作品だが、原発事故に関するとある〈仕掛け〉が明らかになった時はニヤリ。
2022/02/15
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