駅路 最後の自画像
駅路 最後の自画像 / 感想・レビュー
gtn
清張「駅路」の一篇。定年後、軌道を外れて気ままな生き方を求める気持ちを、私も理解できるようになった。だが、そううまくいかないことも、直感で分かる。だから諦める。
2023/03/18
ぐうぐう
確かに、向田邦子には、原作小説を脚色するという印象はかぎりなく薄く、事実、『あ・うん』や『寺内貫太郎一家』に代表される、オリジナル作家としてのシナリオライターというイメージが強い。実際、彼女は脚色を嫌ったと言う。しかし、松本清張の短編「駅路」を脚色した「最後の自画像」のシナリオを読むと、そのうまさに舌を巻く。大胆なアレンジ、それでいて原作の描かんとしているテーマをさらに深めたストーリーにセリフ。脚色の見本のようなシナリオだ。もしもの話をしてもしかたないのだけれど、(つづく)
2010/12/03
ZEPPELIN
清張さんの「駅路」を読んだあとに、それを原作にした向田さんの「最後の自画像」の脚本を読むという贅沢な作品。男の哀しさを中心に置いた清張さんと、女の怖さと人間の不器用さを付け加えた向田さん。読まれることを想定している小説家と、視られることを想定している脚本家の違いも面白く、やはり情景をイメージしやすいのは向田さんの文章であると思う。ファンの贔屓目かもしれないけれど。とはいえ清張さんの文章も面白かったので、いくつか短編を漁ってみたい
2015/06/03
アルラ
「平凡な永い人生を歩き、終点に近い駅路に到着した時、耐え忍んだ人生からこの辺で解放してもらいたいと願い、定年後の人生を愛人と過ごそうとして失踪した男の悲しい結末を描く」(広告文より)この原作と脚本を比べて読むと、巨匠はもちろんだが向田 邦子の才能が輝いている。昭和35年当時は、自分を犠牲にして家庭を背負い生きてきた男性の悩みが中心のストーリーだったのが、52年の脚本では妻と愛人女性の存在を大きくしている。そして愛人の女性自身が道を選択するのだ…そこに時代の流れを感じた。→続く 2010/07 読了
2011/04/06
hiropon181
松本清張の傑作と呼ばれる短編小説「駅路」を向田邦子が脚本してドラマに仕立てた対比を楽しむ珍しい一冊。原作の雰囲気に自分は一票。
2022/08/07
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