男のポケット

夜間飛行

出不精の私には珍しく、十代の終わり頃、素九鬼子の『旅の重さ』に影響され、寝袋担いで旅に出た。ポケットの中には三万円という中途半端な金が入っており、『旅の重さ』の主人公は無銭旅行しているのに、三万円持たずにいられない自分がちょっと寂しかった。四国のどこかのキヨスクでこの本を買い、各駅停車に揺られながら、軽妙洒脱な文体に魅せられた。中でも印象深かったのは「縛る」という文章で、変態性欲を冗談ぽく語れるのが大人なのかと、妙な事に感心しながら、えっちらおっちら旅を続けた。因みに東京に戻った時の所持金は３５円だった。

2014/07/23

アキ・ラメーテ＠家捨亭半為飯

以前、読んだ沢木耕太郎さんのエッセイでおもしろひとあつたので初丸谷才一。かういふ文体の御仁であつたとはつゆ知らず。読んでゐるとつひ真似をしたくなつてしまふ。

2015/10/20

佐伯 一果

丸谷さんの文章は良いなぁ。とても簡潔で明瞭、無駄がまったくない。それからお茶目でお洒落なところも好き。たまに難しい話が入るけれど、その次には面白いお話が続くので、やめられないのがニクいところです。小さい町なら宇和島がすばらしい。という一文がありましたが、これは愛媛出身者には嬉しい言葉。丸谷さんの小説にも宇和島が出てくるものがあるようなので、読みたいです。

2014/10/17

Akito Yoshiue

軽妙で切れ味の良いコラム集。面白い。

2016/05/30

パチーノ

新聞連載ということもあってか他作品に比べてやや物足りなさを感じずにはいられなかった。

2015/12/19