作家の使命 私の戦後 山崎豊子 自作を語る (山崎豊子自作を語る 1)
作家の使命 私の戦後 山崎豊子 自作を語る (山崎豊子自作を語る 1) / 感想・レビュー
すぱちゃん@水の中で泣いている人の涙に、気づけるような人になりたいんだ
作家・山崎が作品を書く際、如何に綿密な取材を行っているかが、よくわかって面白い。いや、面白いと言っては失礼だ。取材旅行もとても大変だし、作品に如何にリアリティーを持たせるか?が勝負の取材だ。体を張った取材。本一冊とは言えその裏にある努力に感服した。でも、だからこそ、山崎の小説は、人の心を掴んでいるのだろう。
2021/08/15
金吾
○作品を作る苦悩と情熱、舞台裏が伝わります。山崎興野さんの作品は抉るような問題認識に基づく作品がおおく、考えながらも面白いため一気に読めます。『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』と好きな話ばかりでしたので楽しかったです。
2023/06/30
shiai
山崎豊子「不毛地帯」(全5巻)は1週間で読んだ。3巻を読みながら、どうしたらこんなすごい小説が書けるのか、と書いたが、5巻を読み終えたわたしは圧倒され、想像もできなかったが。 「作家の使命、私の戦後」(山崎豊子自作を語る)で、それが信じられないないような凄まじい取材を行いながら書かれていったことを知った。連載期間5年、5千枚、登場人物2百名。極寒のシベリア、サウジ、イランを訪れ、4日取材で3日執筆という過酷な生活だった。言葉もない。 こんなすごすぎる大作は、読書感想の如きもの、わたしにはなにも書けない。
2023/09/11
シュラフ
過去の歴史にとらわれていては希望をもって将来にすすむことはできない。だが、日本人として太平洋戦争のこと、真珠湾攻撃・沖縄戦・原爆投下・ソ連参戦・シベリヤ抑留・残留孤児などの多くの問題は決して忘れてはならない。戦争当時、山崎豊子は女子学生で学徒動員、同年の男子は特攻隊として散り、同級生はB29の爆撃で死んだ。だから、生き残った者として、何をすべきかという思いがあるという。この思いが、『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』などの不朽の名作を産んだ。「伝えること。それが生き残った私の使命です」と言う。
2013/08/24
咲
この本に出てくる、不毛地帯・二つの祖国・大地の子・沈まぬ太陽・運命の人は以前読みました。読んで思ったのが、山崎豊子という作家はどうしてこんなに深い作品が書けるのだろうという率直な感想でした。でもこの本を読んで理解できました。入念な取材と調査、戦争で生き残った者として、また作家として伝えなければならない使命感、それがどの作品にも反映されているのが理解出来ました。追記 1月8日の産経新聞で、胡耀邦元総書記の銅像が完成したと記載されてます。大地の子はこの方の協力なくては出来なかったと書かれていました
2013/01/03
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