室町お伽草紙
室町お伽草紙 / 感想・レビュー
ヨーイチ
有名人が綺羅星の如く錯綜する。戦国時代の初期、日吉丸として豊臣秀吉が辛うじて登場する。そんな時代である。前に「室町少年倶楽部」を山風の集大成とコメントしたが、此れもそう言って良い。唯し、流石にこれは歴史小説ではない。これほど歴史を歪めた小説はあまり無いだろう。戦国時代の群雄が何故か荒廃した京都に終結して、合戦と言うか抗争(規模が小さいので)を繰り返す。当たり前の様に都合良く事件と見せ場が次々と展開する。世が世ならトンデモ小説になったかも、でも週刊新潮連載である。執筆時は山風センセ70歳位である。続く
2014/04/21
葉月あき
今日は山風誕生日ということで適当に本棚から抜き出して再読。他の山風作品と比べるとずいぶん軽いノリだけど、想像の赴くまま自由奔放に筆を走らせたかのような内容は、さらっと読めて普通に楽しく面白い。
2009/01/04
getsuki
今まで読んだ山風作品の中でも異質。史実をベースにしつつもエンターテイメントを重視した中味だが、実に滑稽な姿を見せる有名武将たちに苦笑を禁じ得ない。
2011/05/01
メイロング
エンターテイメント!時代考証のしがらみを払い、面白さを第一に置いて展開される物語には、すがすがしささえ感じてしまう。舞台映えしそうなシナリオだわ。時代小説だから、その時代考証はもちろん大事だ。けれども、それが史料となってはいけない。山田風太郎が、時代小説という、大衆小説の流れを汲むエンターテイメントの源流から、送ってくれたメッセージが、この小説だ。
2009/02/08
二分五厘
1997.9.10
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