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ぜんぶの後に残るもの

ぜんぶの後に残るもの

ぜんぶの後に残るもの

作家
川上未映子
出版社
新潮社
発売日
2011-08-31
ISBN
9784103256229
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ぜんぶの後に残るもの / 感想・レビュー

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hiro

未映子さんのエッセイ7冊目。週刊新潮(オモロマンティック、ボム!)と日経新聞に掲載されたもの。今まで読んだエッセイのなかにも震災を挟んで書かれた本が2冊あったが、この本の冒頭も震災直後に書かれたものだった。2年以上たった今日も原発関連のニュースが多かったが、まだまだ震災の爪あとは消えないと改めて思う。未映子さんの日常を書いたこのエッセイにも、ときどきあの句点がなかなか出てこない独特の文体が登場するが、まったく苦にならなくなったw 逆にリズムがあって文章が頭に入ってくるように思う。慣れとは恐ろしいw

2013/07/09

おくちゃん🍎柳緑花紅

川上未映子さん2作品目はこのエッセイになりました。「地震のあとで」頑張ろう、私たちはひとつ・・同じ目に遭ってなお、そういえるのか?逃げなのかもしれないけれど、私はまだ震災がベースにある作品を読む覚悟が出来ていない。どういう言葉も適切ではない気がする。何も語れない。「からだの記録」記憶はあやうく鮮やかで、そしてはっきりと不確かでから始まる文章のなんて沁みることか・・・。そしてさすが関西人!面白い。私の知らない川上未映子さんを沢山発見した。

2015/03/25

とら

川上未映子さんのエッセイは初めて。川上さんは何作か出している、というか、もはやデビュー作が随筆集という経歴を持っているので、結構期待してました。でもそんな期待をものともせず、それ以上の面白さだった。素晴らしい。もともと川上さんの文章が好きだったのだけれど、これは週刊連載してたものをまとめたわけで、全部新鮮なのだ。一週間ごとに気持ちを入れ替えて川上さんも書くわけだから。良い所が凝縮されてる。ワープロで描かれた文字だと字の上手さが伝わらないとか言ってるけど、十分想像出来る。あと全編題名が秀逸。綺麗すぎて困る。

2013/03/27

Y2K☮

震災時の文章が響いた。「連帯」は「監視」に変化して「正義」が「強要」に結びつくって本当にその通りだった。自粛に関しては計画停電もあったしプロスポーツなどは延期&中止もやむなしと思っていた。心の底から笑える状況でもなかったし。でも著者の云う通り花見は桜の持つ意味を考えたら、一緒くたに考えるべきではなかった。慧眼です。「津波で我欲を洗い流せ」という誰かの発言に触れてくれたのも溜飲が下がる。あれは都民の一人として情けなかった。ところで谷崎賞獲ったんだし「陰翳礼讃」を「れいさん」と間違えるのはもうダメですよ(笑)

2015/10/11

みゃーこ

いや~面白い人だ。後半のおもしろさ。「時事的なものを扱わない」とは言ったものの時事的風味を醸して良かった。マイワールド全開でところどころ吹き出した。どこまで真剣なんかな?とも思えるところが出てるのがプロの仕事だと思わせてくれる。この人の面白さは「過剰」なところが滑稽さを生むという味わい。低空飛行から急に「女の性的被害について世の中の倫理は狂ってる」とボルテージが上がっていくところ。「その通り!」と同時に「未映子!どうしたの急に…」とも。とにかくおもしろいエッセイでした。

2012/11/01

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