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人生が用意するもの

人生が用意するもの

人生が用意するもの

作家
川上未映子
出版社
新潮社
発売日
2012-08-31
ISBN
9784103256236
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人生が用意するもの / 感想・レビュー

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風眠

「ふふ」って、思わず笑ってしまうような面白さは、他のエッセイ集に比べると少なめ。彼女の独特な言い回しや、言葉のチョイス、たたみかけるように疑問を投げかける未映子口調も、おとなしめな感じだった。2011年から2012年付近のエッセイをまとめた一冊だからなのか、東日本大震災の話題について避けては通れずといった感じで、やるせなさやどうしようもない悲しみ、疑問、当惑など、彼女が思うところを真摯に書き、読者に伝えようとしている文章が多かったように感じた。こういう率直な誠実さ、とても素敵。だから私は川上未映子が好き。

2018/12/29

hiro

震災を挟んで、ほぼ同時期に書かれた川上さんの2冊のエッセイ『魔法飛行』と、この『人生が用意するもの』をいっしょに図書館で借りて併読した。2章の『3月の記憶』を読むと、日本人なら当然だろうが、川上さんもデモに参加したり、震災の前後では何か変わったと思えた。そして川上さんご自身も妊娠、出産されて、今後の作品では、今までと違った川上ワールドに出会えるような気がする。川上さんのエッセイのなかにでてくるリアルな関西弁が好きだ。「悪さしてすみません、(先生)もっと、しばいたってください」には、思わず噴出してしまった。

2012/11/06

めしいらず

作家だからといって、普通の人が思いも寄らぬ視点で世の中を見ているって感じは全然ない。著者が生きる市井の、その一員としての目線で日々感じたことを綴っている。が、語り口は著者独自のリズムを持っており、読んでいて心地がよい。本の増刷に関する姉の一言がケッサク。ささやかな笑顔の人々と、そこに向けられる著者のあったかな視線が素敵な「春と過去の、かさなるところ」がいい。川上サンって素敵だ。。。

2013/05/14

ネギっ子gen

「週刊新潮」連載の「オモロマンティック・ボム!」の単行本第3弾。軽妙、というか洒脱というべきか、超面白い。こういうの、いいじゃん。素敵なところは「うしし、メモメモ」って感じでもっと書いてよ、ぐふぐふ。例えば、こんなの。<できることなら意表を突きたいし、突かれたい。年がら年中そんなことを思っているわけではまったくないけど、やっぱり誰かに向かって誰もが使える言葉を使って誰かに読んでもらうためのなにかをかいているわけだから、まあときどきはそんなことを思うんである>。そうであるか。改めて感嘆の溜め息つきつきだ。⇒

2022/05/07

nyanco

川上さんのオモロマティック・ボムのエッセイ集はいつも楽しんだよね。以前は、ちょくちょく登場していた甥っ子さんの話がとても面白かった。今回、甥っ子ちゃん達は随分と成長して、なぜなぜ話が減ったのが残念。川上さんご自身の妊娠出産にまつわる面白話がもっと聞きたかったな。今回は3・11後だったため、やや自粛傾向にあった感じもします。 子育てに奮闘するであろう、今後の川上さんの面白話、次回を楽しみにしています。

2012/09/25

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