春のこわいもの
春のこわいもの / 感想・レビュー
starbro
川上 未映子は、ご主人阿部 和重共々、新作中心に読んでいる作家です。久しぶりの新作は、コロナ禍の重苦しさが反映されているような短編集でした。オススメは『あなたの鼻がもう少し高ければ』&『ブルー・インク』です。 https://www.shinchosha.co.jp/book/325626/
2022/03/20
うっちー
芥川賞作家の川上氏の難しい世界観。題名の『春のこわいもの』の雰囲気がなんとなくわかったかな
2022/05/15
ウッディ
コロナが蔓延し、未来への不安にさいなまれる現代人の心の闇を描いた短編集。美容整形の費用を貯めるために、ギャラ飲みのバイトを志願する女子学生が面接で放たれた心無い言葉と絶望を描いた「あなたの鼻がもう少し高ければ」は、容姿を揶揄する言葉が徹底的に排除される昨今だからこそ、心がえぐられるような言葉のインパクトが強烈でした。経済的にも容姿にも恵まれ、かつては同居までした友人とその母親への意趣返しを描いた「娘について」もなかなかの厭らしさでした。いつの時代も本当に怖いものは人の心の中の悪意なのかもしれない。
2023/01/05
貴
周囲の人から理解されていない、周囲の人たちとは心が通じ合っていない、それでも生きて行かなければならない。『春のこわいもの』
2023/01/17
みっちゃん
ひととひと。ただでさえ、その本当の気持ちを推し量ったり、通じ合わせるのは難しいもの。それがマスクで表情を隠し、お互いに近寄る事が憚られる今の世の中では、どんなにか。そして閉ざされた密室のような住居の中では閉塞感と不安だけが募っていく。このストーリーも辻褄も、さらには結末さえもあるのかないのか、覚束ないような掌編の数々に、何とも落ち着かなく、いたたまれないような心地にさせられるのはどうしたことだろう。
2022/06/30
感想・レビューをもっと見る