ふがいない僕は空を見た
ふがいない僕は空を見た / 感想・レビュー
めろんラブ
おそらくは「命の讃歌」物語。性から生へ、生のち性へ。太古の昔から未来永劫続く生物の営み。そのシステムに組み込まれ、存在している我々。どれほどの苦痛・苦悩があろうとも、誕生の歓喜がそこにはある。ふがいない己の無力さ加減に打ちのめされた後、彼は命の讃歌の自覚的なスタートラインに初めて立てるのかもしれない。それでも生きてゆく。その覚悟と共に。
2012/09/01
ミカママ
R18文学賞ということで期待に胸ふくらまして読みましたが、その期待は裏切られることありませんでした。生きていくって切ないなぁ、みんな幸せになってほしいのになあ、と思わせる小説。読んで損はしません。
2013/06/27
takaC
ふがいない僕はすごい本を読んでしまった。
2012/01/28
hiro
R-18文学賞大賞を受賞した短編「ミクマリ」に、語り手が変わる他の4編をあわせた5編の連作短編集。「ミクマリ」だけでは、高校生と主婦との過激なセックス描写の短編で終わってしまう恐れがあるが、他の短編、特に最後の「花粉・受粉」があって、登場人物達の悩み、そして『ふがいない僕は空を見た』という小説の「性」と「生」というテーマが見えてくると思う。「ミクマリ」の意味が分からず、最初はあんずが好きなアニメの主人公の名前かと思っていたが、水分りと書いて、水が分かれる所という意味で、小説のテーマと関係ある言葉のようだ。
2012/03/12
文庫フリーク@灯れ松明の火
「セイタカアワダチソウの空」が圧倒的に好み。青春を底辺に生きる者の、リアルなやり切れなさ。その世界を胸に刻みつつ、セイタカは自力で道を開いて行くのだろう。連作短編の形有ってこそだけれど、凄く物語に没入させられた。【ふがいない】歯がゆいほど意気地が無いこと。題名では「僕」だけれど年齢も性別も関係無く、登場人物みなふがいない。現実に生きる私とて意気地なし。見上げる空は自分映す鏡で、小さな決意と希望をつなぐもの。宮木あや子さんで知ったR‐18文学賞。性描写は濃いけれど読み応え有り!の1冊でした。
2011/06/23
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