よるのふくらみ
よるのふくらみ / 感想・レビュー
ミカママ
狭い世界での三角関係・・・あまりに狭すぎるんじゃない?って今まで広い世界でしか恋愛したことない私(転勤族の娘だっので)にはちょっと理解しにくい関係でした。作中、父親の浮気相手マリアさんの「誰にも遠慮はいらない。なんでも言葉にして伝えないと。幸せが逃げてしまうよ」は心に沁みましたね。あと「オンナというのは『私を大事にして』と全身で叫んでいる」という亡くなった川島さんの言葉に1票!ラスト、圭ちゃんに京子の存在があってよかったな、と思いつつ本を閉じました。
2015/07/20
風眠
男と女は、いいとか悪いとか、そういう理屈じゃない衝動で突き動かされるときがあると思う。理性とか世間体とか、そういうの全部ふっ飛んじゃって、どうしようもなく止められない時が。母親が突然、別の男へと走った過去をもつ、みひろ、みひろの恋人の圭佑、その弟の裕太。それぞれ視点から語られる、三角関係の物語。とても美しい文章だけれど、それだけじゃない何か大きなものを内包しているような血が通った文章。生きることの生々しさやかっこ悪さ、表と裏のような自己矛盾を表現した心理描写。それらを読み手に共感させる筆力が圧巻だった。
2014/05/04
hiro
窪さんの本は『ふがいない僕は空を見た』に続いて2冊目。同じ商店街で育ち、ともに親の不倫を経験している、みひろと圭祐・裕太兄弟、3人の恋愛小説。女性の性欲を描いている第一章の「なすすべもない」は、窪さんらしい?官能小説の雰囲気があったが、セックスレス、三角関係、不妊治療、EDと、帯にあった、まさに‘ままならない心と体’を描いた恋愛小説だった。大阪が舞台の最終章が、この物語の締めくくりとして、やすらいを与えてくれている。この想像を掻き立てる題名については、成る程そういうことだったのかと納得した。
2014/07/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
連作短編集。三角関係物語。最後はそうなるかぁ~で読後感は悪くない。
2016/02/05
えむ
圭祐と裕太の兄弟、そしてみひろの幼馴染。圭祐とみひろは結婚を前提に同棲中。窪さん初読。読んでいて、「うわ~、弟と。えぇ、出ていく。大変」と、シリアスな展開なのですが、三人の立場から本音が描かれているからでしょうか、面白い内容でした。それでもって、最後は収まる処に収まっているので読後感もいい感じ。「なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ」これは大事です。伝えないと。2014-79。1300
2014/08/24
感想・レビューをもっと見る