波の音が消えるまで 上
波の音が消えるまで 上 / 感想・レビュー
marco
「対岸の美しいネオンを映してゆらゆらと揺れている水面を見つめながら、そろそろ香港を出発しようかな、と思った」とノンフィクション『深夜特急 』「賽の踊り」で綴った26歳の沢木青年。そして、彼は乗合バスを乗り継いでユーラシア大陸の旅を続ける。『波の音が消えるまで』は登場人物も時代設定も異なるフィクションだが、「もしも」沢木青年がそのまま香港、そして、マカオにとどまっていたらあり得たかもしれない、と思わせる物語。ギャンブルに淫した酔狂な沢木耕太郎でしか辿りつけなかった到達点が、そこにある。
2015/01/05
Tsuyoshi
サーフィン好きのカメラマンの男がたまたま行ったマカオのカジノでバカラに魅了され、道を極める求道者のようにバカラの世界に堕ちていく話。臨場感たっぷりの描写はもちろん、バカラだけに限らず出会った人々とのスリリングな展開も面白い。
2018/07/11
starbro
処女小説ながら流石の沢木耕太郎450P超を一気に読ませます。トータルの感想は下巻の後で!
2014/12/17
Ikutan
カメラマンだった男、一年間バリ島でサーフィン三昧の日々を送ったあと、今度はマカオでバカラに取り憑かれる。前半は、バカラの記述にたっぷりページが割かれ、そのルールや醍醐味は理解できたのですが、賭博に興味のない私には、いささか退屈気味。冒頭に出てきて気になっていた李蘭と劉という人物の謎が、後半少しずつ明らかに。読メの皆さんの感想では、この主人公の運命が今後、加速される様子。キーワードはやっぱり波なのかな。下巻での展開に期待しよう。
2015/02/22
fwhd8325
沢木さんの初の小説。いよいよ、私の平成棚卸しも最後になってきました。なかなか、物語の魅力の波をつかむことができないまま、白川道さんの小説を思い浮かべたりしていました。元々、博打にはあまり興味がないこともあるかもしれません。それでも、主人公がバカラにのめり込むように、その本質がわかるのか、次第に前のめりになっていくのがわかるようになっていました。物語が動き始めたのでしょう。さあ、下巻に入ります。
2019/04/11
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