緋の河
緋の河 / 感想・レビュー
鉄之助
カルーセル麻紀をモデルとして、自伝でもこれまで語られなかった幼少期から書き起こされている。「化け物」「偽物」…世間からも家族からも蔑まれ、拒まれながらも生きてきた。男から女になりかけ、だから「なりかけ」という屈辱のあだ名で呼ばれる。しかし、男でも女でもない「この世にないものにおなり」と、花街の女に言われた一言が生き抜くエネルギーとなった。「本当の美人ってのは、男顔なんだ」主人公だけでなく、私もつい納得してしまう。それが”彼女”の生き方なんだ、とつい肯いてしまった。 → 続く
2020/03/09
starbro
桜木 紫乃は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。成田空港への高速バスと待ち時間で読了しました。いつの時代もパイオニア&マイノリティは、辛いという事でしょうね。カルーセル麻紀、青春緋桃色物語、著者でなければ書けなかった作品かも知れません。
2019/08/14
ウッディ
カルーセル麻紀さんをモデルにした小説。性同一性障害やLGBTという言葉もなかった時代の偏見に満ちた田舎町は、彼女にとって生きづらい世界だったことは想像するまでもないが、姉や親友に支えられ、自分らしく気高い生きざまは感動的で、当時のLGBTの人達に胸が痛みます。人と違うことで屈折するのではなく、美しく生まれたことに感謝し、「あたしはあたしになりたい」と言い切る強さと潔さに人は惹きつけられるのだと思う。ゲイの先輩の末路や帰省時の母とのシーンにウルウルしながらも、勇気をもらえる一冊でした。面白かったです。
2019/12/24
うっちー
秀雄の前向きさと周りの人の暖かさに感動!
2019/07/16
fwhd8325
子供の頃、テレビで見ていたカルーセル麻紀さんは、異形の人だったと思います。男でありながら、あの美しさや色気は、子供の私にはすでに性の壁を越えた存在だったのかもしれません。ありきたりの物語したくなかったとありますが、前半のベースとなる過程がやや長く感じます。後半分は面白いのですが、本来歩んできた道より薄く感じてしまいます。小説の題材として、とても魅力がありますが、やや物足りない印象が残りました。
2019/12/05
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