KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

古都再見

古都再見

古都再見

作家
葉室麟
出版社
新潮社
発売日
2017-06-22
ISBN
9784103280149
amazonで購入する

古都再見 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

鉄之助

このエッセイ集を片手に、京都を旅したいな、とつくづく思った。葉室麟はかつて、雑誌の取材にこう答えていた。「歴史の主役が闊歩する表通りではなく、裏通りや脇道、路地を見てみたい」。死の2年前、「人生の幕が下りるその前に、見るべきものを見ておきたい」と京に仕事場を移した。彼でなければ書けない、古都の魅力が溢れている。「京の川中島合戦」の項では、日本史に刻まれたこの合戦を有名にした「PR名人」二人にスポットを当てる。謙信ビイキの関白・近衛前久と、信玄に追放された父・武田信虎。歴史の”皮肉”が面白かった。

2021/02/27

いつでも母さん

葉室作家の観る・識る『京都』。当たり外れのある作品よりもいっそこちらが良い(超辛口御免)この随筆の前に期せずして桐野作家の『谷崎』と伊東さんの『新撰組』を読んだのでなお更興味深く読んだ。あれもこれも幅広く、流石は歴史ある『京都』って感じでした。最近のきな臭い政治を思うと、源氏物語の頃だって(いや、そのずーっと前から)椅子取りゲーム変わらないんだなぁと。葉室作家、最後に『幕が下りる、その前に』とサブタイトルをつけられた。さてどんなものを読ませてくれるのだろうか、期待して待ちたい。

2017/07/29

♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤

読み友さんのレビューをみて興味を持ったり、読み友さんがおすすめしてくださったりした葉室さん。読みたいと思っていたところ母の本棚で発見。葉室さんは何度か取材で訪れた京都をもう1度じっくりみたくなり、2015年2月から京都で暮らしはじめたという。そのときの京都にまつわるエッセイ集。歴史小説家だけあり、古都の名所の歴史や文化について興味深い話が満載。本書にも登場する屋敷跡や碑などがまちなかにある。日頃何気なく歩いているが、これからは立ち止まってみてみよう。歴史が息づいているのを感じられるに違いない。

2019/12/19

ベルるるる

エッセイ集というよりも、葉室氏のうんちく集みたい。でも、知らない話のてんこ盛りで興味深く読んだ。個人的には、「名だたる茶人がみな非業の死を遂げたのはなぜだろう」という文章に一番興味を持った。利休、宗二、織部、伊井直弼・・・。一杯の茶に心の平穏を求める茶人が修羅の最期を遂げる不思議・・・そして、だからこそ、茶なのではないかと書く葉室氏。

2017/07/18

kawa

「還暦を過ぎてから、何かゆっくりと頭上から下りてくる気配を感じるのだ。(中略)幕が下りるその前に見ておくべきものは、やはり見たいのだ」と、京都に移り住んだ著者のエッセイ集。歴史・時代小説等で、私たち読者を楽しませていただける背景には、これ程の分厚い教養や知識があったのですね。脱帽です。「幕が下りるその前に見ておくべきものは見る」私も見習おう。

2017/09/11

感想・レビューをもっと見る