評伝 三島由紀夫
評伝 三島由紀夫 / 感想・レビュー
風に吹かれて
三島を理解するために彼の小説を読むのか、三島の小説を読むために彼を理解しようとするのか。彼の最期を踏まえれば、どちらも、ある。『盗賊』は婚約者同士の二人が「一九三※年十一月※日」に情死するのだが著者は三島が同じ月に自決していることを指摘している。私の眼は次の作品『仮面の告白』の「起筆は昭和二十三年十一月二十五日」に釘付けになった。十一月二十五日に仮面の「告白」を始め、二十二年後の十一月二十五日に「告白」を終えたのだ。偶然なのかもしれないが三島に関わることは彼の意図があるのではないかと思ってしまう。 →
2022/11/07
感想・レビューをもっと見る