日本の身体
日本の身体 / 感想・レビュー
おさむ
鬱に陥った内田センセイは自分の身体感覚(五感)に立ち戻ることで鬱抜けできた、といいます。この本は茶道、能楽、合気道、相撲から尺八、雅楽、能楽、文楽まで日本古来の伝統を受け継ぐ専門家12人との対談集。同期や共感という身体的感覚が日本人のDNAとして私たちにも内在しており、それが生きるうえでのエナジーになることを教えてくれます。
2017/03/16
Y
色んな分野の達人との対談に接して、その度に自分でも思わなかった方面へと関心を持ったけれど、特に一番興味を惹いたのが雅楽の安倍季昌さんのお話だった。新嘗祭に至っては天皇陛下は夕方の6時から深夜の1時ぐらいまでお祀りをされると知り驚愕した。日本の伝統文化についての理解を深めたいと思った。
2014/08/08
壱萬参仟縁
内田氏:武術はプリミティブなコミュニケーション技術。他の身体と共振し、体感を送ったり送られたり するかという、共生技術(56頁)。大量の息を、無音で瞬時に吸い、吐く、名前のない呼吸法(162頁 ~)。グローバリゼーションの本質は、度量衡の統一(241頁)。規格と画一化。 人間の本質:自由な生き方。正解のない多様な生き方を選ぶ(255頁)。なのに、現政権は国民の 自由を奪う方向にあるのは甚だ遺憾。
2015/05/06
さきん
日本人はどういう身体を作っていたのか、伝統芸能や武道に関わる方々との対談を通して語る。時々神秘な方向に議論が走ったり、非論理的な話が展開してしまうキライがあるが、言語化するのが、難しい分野にあえて挑んでいると思って読んでいる。
2017/12/10
ふう
能楽師も文楽の人形遣いも、いやいや、どの人からも、日本人の身体の動きの根幹にあるものの確かな手触りが感じられて、非常に興味深く読んだ。すごく納得できたのは大相撲力士。ちょっと知ってるスポーツマンの筋肉がムキムキではなくふんわり柔らかくて不思議だったのが、もしかしたら双葉山に通じる点があったのか、と20年越しに分かった気がした。あとがきの、森の国、というのも目から鱗。いずれ再読したい。
2023/02/09
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