宣告 下巻
宣告 下巻 / 感想・レビュー
アルクシ・ガイ
長かった。なぜ長いかというと、一人の人間の描写は、一筋縄ではいかないからだ。楠本の内省がある。手紙がある(母へ、恵津子へ、シスターへ、みな違う)。近木から見た楠本がいて、楠本から見た近木がいる。楠本の中では恵津子は理想化されているが、彼女は5年後には楠本を忘れそうだ。私はやっぱり死刑囚にはなりたくない。「死刑になりたい」と無差別殺人をする奴は時々いるが、死刑囚になりたい人間はいない。
2015/06/15
感想・レビューをもっと見る