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これはペンです

これはペンです

これはペンです

作家
円城塔
出版社
新潮社
発売日
2011-09-30
ISBN
9784103311614
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これはペンです / 感想・レビュー

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とら

とある叔父と父の性質について描かれた二篇の物語―と言うか過去の出来事。事後。表題作は芥川賞候補になって落ちたらしいが、まあ個人的には妥当だなあと思った。それは内容が理解出来かねるとか言う訳では無くて、単純に、ジャンルが違うと思ったからだ。SFだろうこれはどう考えても…と。それは自分の読み込みが甘かったからなのかもしれないが、理解の範囲内では、少なくともそう思うのだ。そしてそう考えて読んでみれば、こんなにユーモアに溢れて面白い小説は無いと感じた。素直に面白かったと思えたので、もうSFで良いんじゃないと思う。

2014/02/19

kishikan

う〜ん、10代の頃にこの本に出会っていたらなぁ。集中して文章を読む熱意が持続しないんだよなぁ。芥川賞(「これはペンです」は候補だけど)って、どうしてこのような難解な文章のものだけが選考されるのかしら?さて、それはともかく、叔父と姪の話を綴った「これはペンです」、父と子の話である「良い夜を待っている」の2話のこの本は、読みづらさを別にすれば、いずれも興味深い話ではありますね。ただ円城さんの本にしちゃ読みやすい方かもしれないが、通勤電車の中で細切れに読む本じゃないね。表紙のオブジェのようなものも気になるなぁ。

2012/01/07

kana

「言葉」や「認識」や「記憶」などといった形而上的なことをずっと考えている私と叔父さんとそれから叔父さんのお父さん。決して読みやすくはないのですが、各人の思考の渦に一緒にのみこまれていくことが、たまらなく魅力的で、ゆっくりながら、頁をめくり続けました。「これはペンです」の磁石炒め(鉄板にはり付いたままならぬ磁石たち)、「良い夜を持っている」で街を創り続ける記憶障害など、ユニークなモチーフにくすりくすりと笑ってしまうことも。楽しき読書体験でした。

2011/12/11

がたやぴん

円城さんに初トライ。個人的には好きな本。序盤、文章が妙に読みづらい。何度か読んでる行を戻った。終盤、一転して読みやすくなった。それは、謎の一端を知った気分的ものなのか、意図して構築された書き方なのかは、今回読んだだけでは不明。近々、再読したい。今回は、姪の目線に支配された。故に、読後に高揚感が得られた。叔父、教授、母の目線でも読みたいと思えた。近年の芥川賞受賞者の中では、群を抜いて引き込まれる作家さんだと思う。次は受賞作[道化の蝶]を読みたい。

2014/01/21

mya*

円城塔さんって難解なイメージがあったのですが、これはちょっとSFチック、ユーモラスな雰囲気。「自動論文生成プログラム」を作った叔父とその姪のやり取りの表題作と写真記憶をする父の「良い夜を待っている」。かもし出される純粋さと、文字、読む、書くということに斬りこむ内容に目からウロコ。このオリジナリティ、凄い。無駄がない。2作目はなんというか美しさもあって、こちらの方が好き。読書中カンディンスキーの絵を見ている気分に陥りました。

2012/04/12

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